牌臓という臓器は、左の脇腹にある小さな臓器です。牌臓は胆汁に関係があり、胆汁は肝臓から分泌されて胆のうに貯えられます。これが十二指腸に分泌されて脂肪を消化し、小腸からリンパに吸収され、リンパが全身に運びます。
この胆汁は強力な殺菌力があり、全身の細胞に活力を与える強力な働き手です。これが弱ると細菌やウィルスにおかされ、盲腸炎、中耳炎、肺炎、関節炎、カリエス、腫物、各種伝染病などの炎症をおこします。食中毒なども牌臓の働きの悪い人がなりやすいのです。
ですから細菌におかされる病気などは、胆汁の分泌と循環を良くする方法をとれば容易に治せるものです。黄疸、胆のう炎、胃けいれんなども、すべて牌臓を正常に働かせると治ってしまいます。
しかし胆汁にとかされた脂肪は、小腸からリンパによって吸収されますから、小腸の働きも大切です。このように脂肪はリンパによって全身にまわされますから、脾臓が悪いと、肝臓も働けなくて脂肪代謝が悪くなり、肥満体となったり、リウマチ、肩こり、腰痛、首がまわらない、体がかたいなどの症状がおこります。
荒れ症、脂性、皮膚病なども、肝臓、腎臓を良くすることによってきれいになりますから美容法でもあります。また、いぼ、ウオノメ、こぶ、しこりなども脂肪代謝が悪いためです。子宮筋腫、卵巣膿腫などもこの類です。痰や鼻汁が多くなったり、のどや鼻がかわいてヒリヒリした感じがしたり、便秘、下痢、汗が多すぎたり、少なすぎたり、尿が多すぎたり、少なすぎたりなども、たいてい牌臓に関係があります。また、肺臓が悪いと甲状腺の働きにも異変がおき、バセドー病などになり、これが原因で新陳代謝がくるって高血圧、低血圧、神経異常からそううつ病になったりします。
新陳代謝にむらができて、神経性心臓病や自律神経失調といったことにもなります。牌臓は臓器のリンパ腺の親玉と言ってもよく、内臓の疲れや炎症があると、それをカバーするために牌臓が炎症をおこします。
すべて慢性化した病気の場合、脾臓は腫れて弱った内臓をカバーする働きがあるので、肺臓を冷やすことによって炎症をおさえ、牌臓の活動を促すと、病気も好転します。