鼻炎に悩む方にとって、漢方薬は体質改善や症状緩和の一助となることがあります。数ある漢方薬の中でも、葛根湯(かっこんとう)と小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、鼻炎の症状に効果が期待できるとしてよく知られています。しかし、これら二つの漢方薬は、それぞれ異なる症状や体質に合わせた使い分けが重要です。ここでは、葛根湯と小青竜湯が鼻炎に対してどのように作用し、どのような場合に選ぶべきかについて解説します。
鼻炎 漢方 で治す
鼻炎を漢方で治す際におすすめの漢方薬の紹介をします。
葛根湯(かっこんとう)
葛根湯は、一般的に風邪のひきはじめによく使われる漢方薬ですが、鼻炎の症状にも有効な場合があります。
鼻炎における葛根湯の主な使い方:
- 症状: 鼻炎の初期で、まだ症状が軽い場合。特に、くしゃみや鼻水が始まったばかりで、寒気を感じたり、体がゾクゾクするような風邪のひきはじめと似た症状がある時に適しています。
- 鼻水の状態: 水っぽい鼻水が多い場合。
- 体質: 比較的体力があり、熱っぽい症状が少ない人に向いています。
注意点:
- 鼻炎が慢性化している場合や、鼻水が黄色く粘り気がある場合は、葛根湯はあまり効果が期待できないことがあります。
- 胃腸が弱い人は、葛根湯によって胃もたれなどの症状が出ることがあります。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
小青竜湯は、アレルギー性鼻炎や花粉症の症状によく使われる漢方薬です。
鼻炎における小青竜湯の主な使い方:
- 症状: 慢性的な鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症の症状が顕著な場合。特に、透明で水っぽい鼻水が大量に出る、くしゃみが止まらない、鼻が詰まるなどの症状がある時に適しています。
- 鼻水の状態: 透明でサラサラした水っぽい鼻水が大量に出る場合に特に有効です。
- 体質: 比較的体力のある人から、やや冷え性の人まで幅広く使われます。
注意点:
- 胃腸が弱い人や、高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能亢進症のある人は、服用前に医師や薬剤師に相談が必要です。
- 症状が改善されたら漫然と服用を続けない方が良いでしょう。
葛根湯と小青竜湯の使い分けと併用
基本的には、症状に合わせてどちらか一方を選んで使います。
- 風邪のひきはじめのような鼻炎(ゾクゾク感、軽い鼻水) ⇒ 葛根湯
- アレルギー性鼻炎・花粉症(透明な大量の鼻水、くしゃみ、鼻づまり) ⇒ 小青竜湯
併用について:
通常、この二つの漢方薬は併用することはありません。どちらも体質や症状に合わせて選ぶものであり、同時に服用すると効果が重複したり、副作用のリスクが高まる可能性があります。
ただし、ごく稀に専門医の判断で、症状の経過に合わせて一時的に使い分けたり、非常に特殊なケースで併用を検討することもありますが、自己判断での併用は避けるべきです。
重要な注意点:
- 自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。漢方薬は、西洋薬と同様に体質や症状に合ったものを正しく選ぶことが重要です。
- 現在服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
- 症状が改善しない場合や悪化する場合は、すぐに医療機関を受診してください。
これらの漢方薬は、体質や症状を正確に判断して服用することが最も効果的です。必ず専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
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