風邪で熱を出すと、一般的には「すぐに熱を下げよう!」とあわてて解熱剤を服用したり、「何か食べて栄養をつけなくては」と無理やり食べ物を詰め込みますが、これは逆効果。熱が出るのも食欲不振になるのも、すべて「体にとっての防衛策」。
「発熱と食欲不振は、世界の二大名医である」という言葉もあるほどです。発熱は体内の老廃物を燃やそうとする自浄作用ですし、食欲不振は「吸収より排泄」を求める体の自然な反応です。発熱で失われた水分は、リンゴのしぼり汁やニンジンジュースなどで補うといいでしょう。ちなみに昨今では、アメリカのハリウッド女優たちの間でニンジンジュースが人気です。βカロテンの宝庫で美しさには欠かせません。
解決方法その1「ショウガ紅茶」
生姜の別名は「万病の妙薬」。「生姜なしに漢方は成り立たない」ともいいます。実際、医療用の漢方薬50種の70% に、生姜は用いられています。漢方の原典である「傷寒論(寒さに破られた病気を治す理論)」には、「生姜は体を温めて血流をよくし、すべての臓器の働きを活発にする。また体内の余分な体液をとり除き、気の滞りをとって気を開く作用がある」とあります
一方、紅茶も体を温める陽の飲み物。紅茶に含まれるテアフラビンは、インフルエンザや風邪のウィルスを駆逐してくれます。カフェインには、利尿件用があり、体内の余分な水分を排出してくれます。紅茶に生姜をプラスした生姜紅茶は、飲んだ瞬間から体が温まり、じんわりと汗が出てくる「風邪の特効食」なのです。
一時期、生姜ブームの際には生姜紅茶そのものがお店で品切れとなりましたが、いったんブームがさったのでいつでも購入できるでしょう。
ちなみに自宅で作ることも簡単にできます。作り方はこちら。
解決方法その2「卵酒」
日本酒に熱を加えてお爛にすると、一口飲んだ瞬間からポカポカと体が温まってきます。一方、卵もまた体を温める陽性食品です。日本酒1合を鍋で煮立て、その中に鶏卵1個を割り入れてよくかき混ぜた卵酒は、「超陽性食品」。冷えが原因の風邪には、超陽性食品で体の中から温めると効果的。昔からあるおばあちゃんの知恵袋的な方法ですが、東洋の陰陽論から考えても、この民間療法は実に理にかなっています。
解決方法その3「梅干しの黒焼き」
お弁当によく梅干しが入っているのは、梅干しの有機酸(クエン酸)に殺菌作用があり中身を悪くしないためです。古来、梅干しは「万病の予防・改善に役立つ健康食晶」として、日本人に愛されてきました。そもそも梅は、体を温める陽性食品。さらに塩を加えてしその葉で赤く染めた梅干しは、超陽性食品です。直火で黒焼きにすれば、体の冷えが即効で取りはらわれます。風邪をひいたかなと感じたら、梅干し2個を網で黒焼きにして熱いお茶に入れ、果肉をつぶして飲めばいいでしょう。
いざ!という時のための梅肉エキスを常備しておくと心強いでしょう。
解決方法その4「風門を温める」
肩や首、脇、心腹、腰の下側には褐色脂肪細胞といって、発熱を促す細胞がたくさん存在しています。この部分をスカーフやマフラー、ベストなどで温めると、すみやかに熱が生まれ、体全体が温まります。風門(うつむいたとき、首の後ろの最も出っ張った骨から、下に敢えて2番目の突起の両側のところ)というツボを温めるのも効果的。やけどしないように注意して、ドライヤーで風門を中心に温めると、効率よく体が温まります。
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