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ストレスを撃退する方法

鼻水でストレス判定
鼻水でストレス判定

自分のストレスを鼻水でここまでチェックできる

仕事や勉強を集中して必死にやっていると、数時間たつと、鼻水が粘調(粘り気が増すこと)になり、色が黄色くなるという現象が起きます。これも疲れによる症状のひとつなのですが、なぜ、こういったことが起こるのでしょうか?

まず、鼻水が粘調になるのは、交感神経が緊張して、分泌現象が抑制されるからです。逆に、副交感神経が優位になつてリラックスしている時は、分泌が促進されるので、サラサラした鼻水が出ます。

だいたい、1時間から2時間半くらい交感神経優位で興奮していると、分泌抑制がきて鼻水が粘調になります。鼻詰まりはしないのですが、鼻をかんだ時に、ズルッとして出にくくなります。

交感神経の緊張をさらに続けると、今度は鼻水が黄色く変色してきます。これは、交感神経優位で、顆粒球が増え、常在菌と反応して膿をつくるからです。経験上からだいたい4時間くらい集中すると、そうなります。鼻をかむと黄色い鼻水が出ます。

鼻が粘調になってきたら、交感神経優位が続いているので、ちょっと休憩を入れて、副交感神経優位にしたほうが、その後の疲れも重くならないでしょう。このように、体の微妙な反応に気づいて対処できるかどうかで疲れ方も違ってくるわけです。

二日酔いをした経験のある人ならわかると思いますが、二日酔いの場合には、尿が出にくくなり、のどが渇き、鼻をかむと黄色い粘調の鼻水が出るでしょう。これらは、すべて、交感神経の緊張によるものです。

お酒を飲むと最初は副交感神経優位になってリラックスモードになるのですが、数時間たつと、今壁は交感神経緊張となります。二日酔いになるほど飲んでいるなら、交感神経興奮の極限を翌日以降まで引きずっていることになります。

風邪の引き始めは、副交感神経優位のリンパ球の戦いで始まるので、最初は鼻が詰まり、鼻水は、サラサラしたものが出てきます。そして、風邪が治るころには鼻水は黄色になって、顆粒球の反応に移って終わります。

花粉の原因はほとんどがストレス

鼻が詰まるのは、粘膜の血管が拡張して、血流が豊富になり、粘膜が腫れているため。ストレスで交感神経が優位になった後に、反動として副交感神経が優位になって起こる現象です。

つまり、鼻詰まりは、ストレスを受けた後、そこから脱却しようとする体の反応なのです。

特に、もともと副交感神経優位のタイプで、リンパ球が多い人は、ストレスを受けた時に鼻が詰まりやすくなります。子どもの頃は、副交感神経が優位となり、リンパ球が多いため、鼻詰まりの子が多いのです。大人になるにしたがい、自然と鼻詰まりは少なくなります。

副交感神経優位が原因の鼻詰まりを治すために使われる薬は、交感神経刺激薬です。ですから、たくさん使うと、鼻詰まりは取れるけれども心臓がドキドキするという症状が出てきます。交感神経が刺激されて心臓の拍動が多くなっているわけです。

薬による分泌抑制が進むと、粘膜が乾燥して痛くなってきます。風邪でもなく、花粉症でもなく、普段は鼻が詰まることもない人が、「どうも鼻が詰まってきた」と感じたら、何らかのストレスを受けて、そこから脱却している途中なのだと思えばいいわけです。

この鼻詰まりを治すためには、やはりストレスを取り除くのが一番有効です。花粉症の場合も、解消法は同じです。

仕事が忙しく運動不足のため食事などで不交感神経を優位にしてストレスを解消している人がある日突然、花粉症になることがあります。その理由は、極限まできたストレスを解消するために、副交感神経が極度に優位になったせいと考えられます。リンパ球がどんどん増えて、花粉に反応し始めるわけです。花粉症の原因は、ほとんどがストレスによる疲れだと考えられます。ですから、本当に花粉症を治すには、ストレスを軽減するしかないのです。

頑固な肩こりを解消するには温めることで改善する

肩こり
肩こり

肩こりは肩こりは湿布(消炎鎮痛剤)では治らない

疲れ」の代表的な症状と言えば、体の重さ、痛み、冷え、震えなどです。これらの症状が起こるメカニズムを見ていきます。これまでの医学の常識では、原因がよくわからない症状もありました。しかし、免疫学の立場からすれば、現代医学の常識をくつがえすような原因が見えてきます。

自分の「体の声」がよく聴こえるようになり、自然と疲れの取り方が上手になっていくでしょう。

2時間も3時間も同じ姿勢で作業をしていたため、肩や腰が重くなった。そこで、しばらく休憩をすると、今度は肩や腰が痛くなってきた…。
誰にも経験があることです。

体の「重さ」と「痛み」には相関関係があるのです。ここでは、そのメカニズムについてです。

体の重さや痛みを、消炎鎮痛剤を飲んだり貼ったりして治そうとする人がいます。しかし、よかれと思って使っているこの消炎鎮痛剤が、じつは、こり、重み、痛みを悪化させるものだと言ったらどうでしょうか?

まず、肩や頭、腰が凝って重くなるのは、ストレスにより交感神経が優位になり、血行が悪くなっている状態です。血管の収縮が続くことで、血流が滞り、疲労物質(乳酸など) がたまって筋緊張が起きてくるのです。頭痛も頭の筋肉が緊張して起こります。

こうして交感神経が優位になり血流が滞って筋緊張が起こると、次には、回復を図るために、副交感神経が優位になります。

副交感神経は、プロスタグランジンというホルモン様物質を使って、血流を回復させようとします。
プロスタグランジンには、

  1. 血管を拡張させる
  2. 痛みを起こす
  3. 発熱させる

という3つの働きがあります。疲れが生じた患部に感じる痛みや熱、赤みを帯びた腫れなどは、いずれもプロスタグランジンが血流を回復させて組織の修復を図っている時の現象です。

つまり、肩がガチガチに凝って重くなった部分が、その後、痛くなるのは、組織を疲労から回復させようとして体が起こす「回復反射」なのです。

頭痛持ちの人はわかると思いますが、最初は頭の筋肉が強く緊張して頭が重く感じる状態になります。

その後、昼休みや帰宅後など、ふっと気を休めて副交感神経が優位になった時に、痛みが出てきます。

プロスタグランジンによって血管が拡張し、血液がどっと押し寄せるので、ズキンズキンという拍動性の痛みが出てくるのです。腰痛持ちの人も同じです。

たとえば、職場で長時間、同じ姿勢でパソコンに向かって作業をしていると、最初は腰が重く感じるはずです。

その後、体を休めた時に痛みが生じてきます。これは、筋緊張を嬢和し、疲労物質を洗い流すための血流回復反射が起こるからです。

痛みは冷やさずに温めるのが基本

やってはいけない対処法が、消炎鎮痛剤でプロスタグランジンの産生を止め、血流を止めて、患部を冷やしてしまうことです。すると痛みは取れますが、回復反射を一時的に止めてしまうわけですから、薬が切れると、また回復反射が起こってくるのです。

こうした、いたちごっこが始まるのです。この消炎鎮痛剤を長期間使うと大きな弊害が生じます。プロスタグランジンンには、交感神経の優位にならないよう、アドレナリンなどの交感神経に関わる神経伝達物質の産生を抑える働きがあります。

消炎鎮痛剤でプロスタグランジンを抑えると、交感神経は積極的に神経伝達物質をつくるようになり、こりや重みの原因となる血流障害をますます促進し、顆粒球も増え、体のあちらこちらで炎症が起きてきます。

このようにして、消炎鎮痛剤は、患部をかえって悪化させてしまうのです。消炎鎮痛剤によって、肩こりのひどい人、頭痛持ちの人、腰痛持ちの人ができ上がっていると言っても過言ではありません。

ですから、こりや重み、痛みの自覚があっても、極力、消炎鎮痛剤は使わないことです。

温めて、運動をして、体の組織修復のプロセスを促進しましょう。ただ、最終的には、症状の本当の原因、ストレスを除くことが不可欠です。

疲れをためない生活がとても重要です。交感神経が緊張し続ける生活スタイルを見直します。

温かい湿布はこちら。

いまひとつやる気が出ない体をさらに疲れない体にする

いまひとつやる気がでない
いまひとつやる気がでない

日光浴を積極的に行う

ここからは、副交感神経優位の疲れの解消法です。副交感神経タイプの疲れとは、「たるんだ生活により、体の機能が低下する」ことが原因で生じます。

同じ疲れでも、交感神経緊張時の疲れの解消に必要な、「よく栄養を取り、ゆっくり休む」方法では、逆に疲れを悪化させることになってしまいます。

ですから、交感神経を刺激する生活をすることが必要です。副交感神経優位の疲れレベル1では、筋力や代謝の効率などの体の機能が低下し、いつも脈拍、血圧、血糖値が低下した状態にあります。そのため、「体を動かしたくない」という気分になりやすいのです。
ですから、交感神経を刺激するために、まず日光をよく浴びることから始めましよう。それから、数十分かけて運動をして、血流の回復を図ることです。

その日のうつに寝る

このレベルは、1の状態が続き、疲れが悪化している状態です。気だるい感じがして、朝起きても元気が出ず、ちょっと動いただけですぐに疲れてしまうのが特徴です。

副交感神経の緊張が続き、血管の拡張状態が続いたことで、血流が滞り、体温が下がり始めていることに原因があります。

これを解消するには、少し動いたくらいでは効果はありません。数週間かけて、生活のリズムを取り戻すことが必要です。遅くとも午前0時までに寝て、日の出と共に起床伸する。そして、日中は活発に活動するような、交感神経を刺激する生活を心がけることが大切です。

やる気がでないときは筋肉をちょっと刺激してやる

活動量が低い状態が続いたことで、かなり筋力が低下し、体を支えるのがきつくなっている状態。肩や腰の痛みもかなり出てくるはずです。

それどころか、立っているべき時に立ち続けることができない状態かもしれません。電車の中やコンビニエンスストアの前で、地面に座り込んでいる中高生を目にしますが、体がレベル3の状態に陥っているためと考えてもいいでしょう。

交感神経タイプの疲れと同じように、副交感神経タイプにおいても、このレベル3の段階で引き返さなければ、病気が待っています。ですから、この段階の体のサインに気づくことが、非常に大切です。レベル3で生じる疲れの感覚・症状は次のようなものです。

気分は沈み、落ち込みがちに活動量が少ないことから、やせ細る、あるいは肥満傾向がでてきます。血流はさらに滞り、体温は低下し、皮膚の色は青白くなっていきます。

また、副交感神経が優位な状態が続いたために、排泄・分泌機能が活発化し、鼻炎の傾向などが出てきます。

さらに、心身共に、感覚が過敏になります。精神的には、他人からの視線や言葉がひどく気になり、神経質に反応するようになります。肉体的には、痛みやかゆみ、蕁麻疹が起きやすくなってくるでしょう。午後になると足がむくんできます。

このレベル3以降の疲れの解消法としては、数ヶ月単位でメリハリの利いた生活を続けながら、散歩をしたり、駅の階段を上ったりして、徐々に体を鍛えること。とにかく、低下した筋力、循環器系の機能をアップすることが大切です。

また、自律神経を整える爪もみ療法も効果的なので、試してみてください。疲れのレベルが4に至ってしまうと、副交感神経優位の疲れも、いよいよ病気の領域に入っていきます。

全身の倦怠感が強くなり、筋力など体の機能低下によるこり、痛みがひどくなります。また、知覚過敏の傾向が強まって、アレルギーが出てくる人もいるでしょう。さらに、疲れのレベルが5に達すると、慢性的なアレルギー性疾患、重い鼻炎やアトピー性皮膚炎に苦しみがちになります。

そこまで行くと、回復するのに数ヶ月単位の期間が必要になります。ですから、何度も言うように、そうなる前に早めに手を打つことが大切です。