免疫力を簡単チェックで自己診断して判定 実年齢と比較しての免疫年齢がわかる

2022年11月17日

頻繁に風邪をひいたり、お腹をこわす人がいる一方、周囲の人がインフルエンザや食中毒でバタバタ倒れても、ひとり平気な人もいます。

若くしてがんに倒れる人もいれば、病気知らずで100歳まで働き続ける人もいます。同じ50歳でも、老人のように見える人も、つやつやした人もいます。その差はどこから生まれるのでしょう。

それは、免疫力です。人の「若さ」と「健康」を決めるのは、年齢ではなく、「免疫力がどれだけ高いか」。ここで、免疫力年齢をチェックしましょう。普通の健康診断とは、かなり毛色が変わっていると思いますが、まずはやってみてください。

Aの項目

  1. 早寝早起き。または就寝時間がほぼ一定。
  2. よく出歩く
  3. 何でもよく食べる
  4. ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆のいずれかを毎日食べている
  5. コレステロール値は200~300 mg/dl
  6. 夫婦仲は悪くない(既婚者)
  7. ひとりの生活を楽しんでいる(独身者)
  8. 細かいことは気にせずにのんきに過ごしている
  9. お笑い、落語などをよく見る
  10. 人と話すのが好き
  11. 何でも話せる友がいる

Bの項目

  1. 緊張感のない生活を送っている
  2. 平熱が36.5度以下で手足が冷えやすい
  3. 薬、サプリが手放せない
  4. うんち、おならが臭い
  5. 大笑いは滅多にしない
  6. 誰にも打ち明けられない秘密がある
  7. 健康管理は神経質
  8. 趣味や夢中になれることがない
  9. 悩みや落ち込みをひきずってしまう
  10. 風呂では石けんでごしごし洗う
合計点
  • Aのチェック項目数×1
  • Bのチェック項目数×-1

診断

あなたの免疫年齢は実年齢に対して…

8~10点
10歳以上苦い。元気に100歳を迎えられる可能性大。
4~7点
よそ5歳若い。健康に長生きできる可能性大。
0~3点
ほぼ年齢相応。心がけ次第で、健康長寿者の仲間入り。
-1~-3点
やや老けている。心身に不調が起きやすい
-4~-7点
およそ5歳老けている。さまざまな病気を抱える可能性大。
-8点~-10点
およそ10歳老けている。このままでは早死にする可能性大。

腸内には免疫細胞の70%がある

自己診断の結果は、いかがでしたか。マイナスになった人は、便秘や下痢などの腸の不調にお悩みだと思います。

免疫力年齢をプラスに転じてください。プラスになった人は、さらなる免疫力の増強を。さて、偉大な腸の話から始めます。どんなにすました人も、悪い物を食べてお腹(腸) がゴロゴロいい出したら最後、血相を変えて体をくねらせ、トイレに駆けこむしかありませんね。

たいていの頭痛はこらえられますが、下痢をこらえることはできません。腸は、脳から指示を受けないで「勝手に」、食物を消化して吸収し、カス(便) を外に出すという大仕事をしています。

胃から下りてきた食物成分を瞬時に分析し、膵臓、肝臓、胆嚢などに指令を出して、いちばん合う分解酵素を出させています。もしも有毒な物が入ってきたら、すぐに多量の腸液を分泌して便をゆるくし、猛スピードで体の外へ出させようとします。

これがいわゆる下痢で、体の非常に重要な防衛反応です。日本人の腸の全長は約9 mもあり、無数のひだをすべて広げるとテニスコートおよそ1面分、体表面の100倍の広さを有します。

この広大な面積をもつ腸に、体内の免疫細胞の70% が集まっています。中でも約7 mもある小腸は、

  1. 食べ物から栄養を吸収
  2. 病原菌の侵入を防ぐ

という、腸の主要任務を行っています。司令塔は小腸の粘膜に分布するバイエル板。リンパ球(免疫システムを担う血球の総称)が密集しています。

病原菌などの異物を見つけると、このリンパ球の一部が異物をとらえ、暴れないよう封じこめる免疫抗体(免疫グロブリン) を作ります。これが腸管免疫システムです。大人の体内では、毎日約4 gの抗体が作り出されています。

たとえばインフルエンザにかかると、この腸管免疫システムが働いてウィルスとの闘いが始まり、発熱、関節の痛みなどの症状が出ます。しばらくして、リンパ球で抗体が作られると、インフルエンザは治ります。

作られた抗体はずっと体内にとどまるので、ウィルスの種類が同じインフルエンザには、すぐに対応してくれます。たとえ再び感染しても、症状はごく軽くてすむわけです。

NK細胞のように、血管に入って働くリンパ球もあります。相手を特定せずに全身の血液中をめぐってパトロールを続け、ウィルス、病原菌、できたてのがん細胞などを見つけると、即刻殺していきます。同じように血管に入り、全身の免疫システムを指揮するリンパ球もあります。

腸管免痩システムは、腸で働くのに加え、血液に入って全身をめぐり、外敵から守る働きもしているんです。こういった働きを総合して、「腸は最大の免疫器官」と言われています。腸さえ元気なら全身の免疫システムが活性化して、病気を遠ざけられるのです。

弱った体が蘇るヨーグルト

てっとり早く腸を元気にして免疫力を上げる(腸内細菌のバランスを整える)方法は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、毎日、乳酸菌を摂ること。腸を元気づける、最も手軽で、毎日食べてもあきない食べ物はヨーグルトと、ヤクルトに代表される乳酸菌飲料。

ただし、乳酸菌が入っていればなんでもいいわけではありません。70 〜80歳の人にR-1乳酸菌使用のヨーグルトを毎日90g、8〜12週間続けて食べてもらったところ、NK活性が低かった人も、数値が正常領域に上がっていました。

また生きたまま腸に届く乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)を摂り続けると、大腸がんや膀脱がんの抑制に働くことがヒトの体で証明され、医療の現場にも取り入れられています。

乳酸菌にはさまざまな種類と「効能」があり、体との相性もあります。「どう選ぶか」が肝心です。

もうひとつは、ストレス退治のための「大笑い」。高尚な努力はまったく必要ありません。腸の免疫力の主力選手、NK細胞は「大笑い」することで、驚くほど簡単に活気づきます。バカを言って笑い合ってストレスを吹き飛ばせる仲間がいれば、最高です。

家にいる時は、お笑い番組でも落語でもマンガでも手段はなんでもいいんです。ゲラゲラ笑う時間を、予定に意識的に組みこんでいってください。

笑いによって心身がリラックスし、自律神経のバランスが整ってNK活性が高まることは、さまざまな医学的実験で確かめられています。

テレビの公開実験で、70 歳をすぎたある俳優さんにお笑いコントを見ていただきました。かなり低かったNK活性の数値が、ゲラゲラ笑っただけで10倍にはね上がったのには驚きました。上品なスマイルより、体をゆすってガハハと笑うほうが効果的です。