腸の免疫力を高める方法 > 2020年 > 4月

腸の免疫力を高めれば不快な症状も病気も治る

免疫力は40歳で半減、70歳で10分の1に減ってしまう

私たちの体を守ってくれる免疫力は、血気盛んな20歳がピーク。その後はだんだん低下して40歳になると半減し、70歳になると10分の1 ほどに落ちこんでしまいます。

免疫力の低下とともに、糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中などの「生活習慣病」を患う人が増えてきます。不規則な生活やストレスが続くと、これらの病気をかなりの確率で発症し、いまの医学では根本的な治療は困難とされています。生活習慣病の中で最もおそろしいのが、言うまでもなく死因のトップを続けるがんです。

がんになりたくない、というのは万人共通の願いですが、残念なことに、なかなか思いどおりにはいきません。

どんな人の体の中にも、がんの卵と、一定数の「がん遺伝子細胞」があります。毎日数千個の新しいがん細胞ができています。がんにならないのは、免疫細胞、中でも主に白血球の中のリンパ球のNK (ナチュラルキラー)細胞が、がん細胞を殺してくれるからです。

「NK細胞は不良少年をたたいているおまわりさん」だと昔から私は言ってきました。おまわりさん細胞がちやんと働いてくれれば、がんの芽をつんでくれる。

ところが、おまわりさんが弱くなって不良少年が生き残り、数が増えて暴力団になってしまったら… 。それが、がん腫瘍。免疫力が低下すると、がんの抑制が効かなくなるんです。

人間からNK細胞を取ってしまうと、発がん率はグンと上がり、ウイルスに感染しやすくもなります。ですから、NK細胞を利用した治療で最も効果が期待されているのは、「発病を未然に防ぐ」ための予防医学的な使い方です。NK活性(NK細胞の働きの強さを示す免疫力の指標)を長期にわたって高め、維持する必要があるのです。

1個のがん細胞が増殖し始めると、だいたい10〜20年で、1 cmほどのがん組織に成長します。

がん組織は「免疫力の危機を放置しておいた結果」と言うことができるでしょう。この免疫力のカギを握っているのが腸内環境です。

一般的な20代女性の大腸は、きれいなピンク色をしています。腸内の血行がよく、悪玉菌の数が少なく、腸内環境が整っているからです。それが70代になると、色はうっすらと黒ずみ、灰色に変色してしまいます。腸内は悪玉菌だらけになり、NK細胞もすっかりへタっています。腸を黒ずませてはいけません。

美しい肌は腸年齢で決まる

アンチエイジング時代。「きれいなお肌ですね」「お若いですね」とほめられたい…という思いは男女を問わず、テレビのC M も、スキンケア製品が花盛り。美容液にシワ取りクリーム、ニキビ化粧品、パック剤、マッサージローラー… 。男性向けも多彩です。

しかし、肌年齢を決めるのは、外からのお手入れよりも「腸年齢」なんです。東京と大阪の20〜0代の女性600人を対象にした、興味深い調査結果(第23回ヤクルト健康調査) があります。腸内細菌学に詳しい、坪野義己先生が開発したテストによって腸年齢を判定して、心身の健康状態や容姿、肌の状態と比べたもの。「腸年齢が若いほど肌の悩みが少なく、心も体も健康で見た目も若い」、という結果がはっきりと出ています。

トイレ
  • いきまないと出ない
  • 排便後も便が残っている気がする。
  • 便がかたくて出にくい。
生活習慣に関して
  • トイレの時間は決まっていない。
  • おならがくさいと言われる。
  • タバコをよく吸う。
食事に関して
  • 朝食は食べないことが多い。
  • 食事の時間は決めていない。
  • 野菜不足だと感じる。

腸年齢の判定は「実年齢より若い」「実年齢+10」「+20」「+30」の4段階。実際の質問は全部で24項目でしたが、右の9 つからでもY ESが5個以上あったらあなたの腸年齢は実年齢+10かそれ以上、1〜2個ならほぼ実年齢より若いと言えます。

腸が老けると、見た目も老ける

この調査で、腸年齢が実年齢より若かった人は全体の5% しかいません。肌の「乾燥」「シミ・ソバカス」「ハリ・ツヤ」「シワ」「毛穴の開き、黒ずみ」「くすみ」、.脂性」「化粧のノリ」「にきび・吹き出物」「アトピー」「そのほか」と、肌の悩みのすペての項目で、腸が暑いはどトラブルが少ない、という結果でした。

たとえば、にきび・吹き出物やアトピーに悩むのは、腸の若い人は6 % しかいないのに対し、「+20歳」の老いた腸の人は26 % と、大差がついています。

意外にも若いほど腸年齢が実年齢より「老けて」いることが多く、次のようなこと
もわかっています。

  1. 肥満の人、ストレスの非常に強い人は特に腸が老化している。
  2. ストレスが少ない人に、腸の若い人が多い。腸の若い人はどプロパイオテイクス(生きて腸に届く乳酸菌) の摂取頻度が高く、健康状態、体力、気分、容姿も苦く、肌の悩みは少ない。

悪玉菌が優勢の腸内では「腐敗」が進み、腐敗物質や有害物質が大量に生まれて腸壁から吸収され、血液を通して全身に運ばれて、肌荒れやかぶれ、くすみ、アレルギー性皮膚炎の原因になります。女性にいやがられる「オヤジ臭(加齢臭)」も、有害物質が肌から発散されたもの。

アンチエイジングにこだわるなら、外からあれこれ塗るより、まずは腸内環境を整えたほうが近道、ということですね。

腸の状態がいい人はボケない

見た目の若さの次に気になるのは、脳の若さ。「最近、人の名前が出てこなくて… 」「こんなミス、脳の裏えを自覚すると、ゆくゆくは認知症… ?若いころは絶対しなかった… 」。

とゾツとしますね。さきほどの調査では、「腸年齢が若いほど脳年齢も若く、腸年齢が老化しているほど脳も退化している」という結果も、くっきり出ています。「固有名詞、漢字が出てこない」「何をするために行ったか忘れる」「会話にアレ、ソレが多い」 と、これらのすべての項目は、腸年齢の若い人には見られません。

「単純な計算ができない」は、腸年齢の若い人ではわずか9 % 。「+20歳」の老いた腸の人は24% 台と、大差がついています。ほかにも、仕事の能力を左右する「物事を決められない」「同じことを長く続けられない」といった知能にかかわる質問でも、腸の若いグループが圧勝。

「腸が元気なうちはボケない」と言えそうです。お通じがよくて腸がすがすがしいと、気分も爽快になり、頭が冴える。ボケも逃げ出す。腸こそが、美、健康、若さ、気力、体力、脳力など、アンチエイジングのすべてのカギを握っているんです。

免疫とは

免疫学は全身にかかわる仕組みで、心臓や肺のように臓器の実体がしっかりと目に見えないせいか、どうも「とつつきにくい」と思われやすいようです。ちょっとクイズをやってみましょう。心臓が止まれば人は死にますが、免疫システムの働きが止まったら、人はどうなるでしょう?

人に一定量の放射線を浴びせると、心臓や肺をそのままにして、体の免疫系だけをつぶすことができます。免疫系の働きが止まったからといって、心臓や肺をつぶされた時のようにすぐ死ぬことはありません。しかしそのまま1〜2 週間経つと、だいたいは外からの細菌やウィルスに冒されて、下痢を伴ったさまざまな感染症で死んでいくことになります。

つまり「免疫」とは、体に悪さを働く外敵を駆除して、健康を保つシステム…外からの感染に対抗するために発達してきた体の仕組み、と考えてよいでしょう。

太古、私たち生物が陸に上がる以前、海の中で生活していたころの、本来の「体を守る」免疫システムは、外からの異物に対してだけではなく、「自己を認識しながら、そこに異常があった時に働くシステム」が基本でした。陸上生活を営むようになることによって、外的な危険が増し、「非自己」への備えの免疫も発達しました。

しかし、説明のつかない疑問も出てきます。たとえばアメーバやミミズには、ヒトの免疫系のようなしゃれたものは備わっていません。しかし、汚ないドブの中でもバイ菌だらけの環境でも生き続けて、人類よりずっと長く、何億年も前からいままで種をつないできています。

ということは、生き物の生存と存続にとって、免疫系なんて実はたいしたことないのでしょうか。

アメーバは屋台、人間はデパート

アメーバと人間の大きな違いは、「体を構成する細胞の種類や数」の違いです。アメーバは単細胞で、臓器と呼べるのは腸の役目をする「食胞」ぐらい。

対して哺乳動物であるヒトの細胞は多様化し、各臓器も多種多様の細胞でできています。アメーバがラーメン屋台なら、人間はデパートと考えるとわかりやすくなります。屋台なら毎日ひとりで決まった材料を仕入れて、自分で作って、売って、片付けるだけ。ラーメンを作る手もとも丸見え。

実にシンプルです。ところがデパートとなると、これは目がくらむほど複雑です。おびただしい商品を仕入れて並べて売って、売れ残りやクレームを処理し、採算を合わせる。そのために売り場の奥はたくさんのセクションに分かれ、大勢のスタッフが働いています。

社長から社員、パート店員まで、役割もさまざま。商品や販売員を管理・統率するための仕組み、盗難や火事、地震に備える仕組みなど、複雑なコントロールシステムも必要です。

人間の体も、細胞群がいくつもの複雑で異なった機能に分化しています。各臓器がうまく連携して働くためには、表からは見えない神経、内分系に加え、免疫システムが大事な役割を果たすことになります。

1970年ごろまで、免疫系とは「自己ではない異物を排除するシステム」で、がん細胞のような体内の細胞を攻撃することはない、という考え方が一般的でした。しかし当時、私どもは動物実験の結果から「日々がん細胞を見つけ出して、やっつけて歩く細胞があるのではないか」という仮説を立て、論文を発表しました。それ以降、世界中で研究が行われるようになり、NK細胞が発見されたのですが「キラー細胞は、どんな武器を使って、がん細胞やウィルスに感染した細胞を殺したり溶かしたりするのか」という最大の謎が残っていました。

「ピストルの弾に似た、相手に穴をあけるような分子を出して殺すのでは」という憶測もなされ、仮に「パーフォリン(たんばく質を含む細胞内部の袋) 分子」と名付けられていました。

キラーが出す弾丸を発見

免疫系が体を守る時にも、勘違いして自分を攻撃するアレルギー反応においても、最終兵器として「組織をこわす」ために働く分子のひとつが、パーフォリン分子なのでは。そんな仮定に基づき「パーフォリン分子の遺伝子をつかみ出す」競争が、国際的に威烈にくり広げられでいました。

特にアメリカでは、まるで最新設備を整えた工場のような研究室に専門家がたくさん集まり、鳴りもの入りでした。

パーフォリン分子の遺伝子については素人で、物資もなく、外国のその道の権威に情報や研究材料の提供をお願いしても、全く相手にしてもらえませんでした。友人たちに相談すると「大リーグに草野球チームが立ち向かうようなもの」とあきれられましたが、ともかくパーフォリン分子の遺伝子探索競争に参入しました。

せっかちな性格がこの時は院生を追い詰めるのに役立ち、結果として無名の小店は世界に先駆けて、キラー細胞の殺傷分子の遺伝子を釣り上げることに成功。新聞記者に、パーフォリン分子の遺伝子のことを「キラーが出すピストル弾」と説明したら、新聞の一面トップに「弾丸たんばくの発見」という見出しが躍ったこともありました。

この弾丸分子は「がん細胞や異物、ウィルスに感染した細胞を傷つけて殺す」という、体にとつていちばん重要な免疫反応のための分子です。その後、相手の膜を傷つける短刀のような分子、毒殺するような毒素分子なども発見され、キラー細胞の働きの複雑な実態が明らかになっています。

風邪薬を飲むと免疫が低下する

私たちの体を外敵から守ってくれている免疫システムと、身近な病気の関係をざっと見わたしてみましょう。

  • 目…まつげで異物の侵入を防ぐ。涙には殺菌作用、洗い流す働きがある。
  • 鼻…鼻水は微生物を殺菌。粘膜についた病原菌をくしやみで排出する。
  • 肌…汗の塩分や皮脂に殺菌作用。皮膚常在菌が保湿膜を作る。
  • 消化管(胃腸)…酸などの消化液で殺菌、さらに腸内細菌が異物を徹底排除。
  • 膣…酸性に保たれ、粘液が外敵をブロックする。常在菌が活躍。
  • 尿道…ブドウ球菌や連鎖球菌などの常在菌が、外敵や異物を排除する。

肌荒れ

皮膚表面の常在菌は免疫力の第一の砦。洗いすぎ、乾燥、塗りすぎなどの要因で悪玉優勢になると、トラブルがおこります。善玉の表皮ブドウ球菌が弱ったり、悪玉の黄色ブドウ球菌やアクネ菌などが優勢になるとニキビや肌荒れ、湿疹に。

花粉症

アレルギーは免疫の過剰反応。花粉などのアレルゲンに対して、抗体を作りすぎて体に影響を及ぼします。「免疫力が強すぎる」のが原因です。

風邪

原因はウィルス。風邪だけで数百種類のウィルスがあり、これが手や鼻、口に付着・侵入しておこります。くしゃみ、咳、鼻水、のどの痛みなどの症状は、すべて免疫細胞が風邪と闘っている証。発熱も免疫活性を高めるため。風邪薬に頼りすぎると免疫力が蓑えます。

下痢

腸の中に、消化吸収を助ける乳酸菌やビフィズス菌が少ないと、腸内の免疫力も低下。下痢や便秘がおこりやすくなります。消化不良、ストレス性の下痢、有毒物をすばやく排泄しようとする働きなどから、下痢が引きおこされます。

カンジダ膣炎

膣の中には乳酸菌がすみ、腔内を酸性に保っています。カンジダ菌はカビの一種で、普段から腫にいる常在菌。疲れやストレスがたまったり、抗生物質を摂ると勢力を増して暴れ始め、粘膜に炎症をおこさせて、かゆみ、白いおりものなどが増えます。洗いすぎも要因に。自浄作用が働いているのに石けんで洗いすぎると、善玉菌を殺してしまいます。
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ヘルペス

ウィルス感染が原因。キスやセックスなどの接触によって、単純ヘルペスウィルスに感染することが始まり。口唇に水疱が出る1型、性器に出る2型があり、唾液や体液から感染。唯一の予防策は発症している(水疱が出ている)人との接触を避けることです。

賢い免疫、馬鹿な免疫

免疫系にはバカな面や悪玉の顔もあります。たとえば花粉症や化粧かぶれ、喘息などのアレルギー疾患。

これは、特定の異物(花粉や化粧品やダニ)に対して、免疫反応が過剰に働きすぎて引きおこされます。それをしずめようとして薬を使うと、本来の免疫力も低下してしまうことがあります。

たとえばステロイドの投薬で喘息が治まっても、次は感染症が発病したりします。バランスの問題もあります。

一般に、花粉症などのアレルギーをもっている人は、寄生虫に対しで強い免疫力を発揮する傾向があります。逆に、結核やがん細胞に対して強い免獲力のある人は、寄生虫には弱い傾向があります。

人間に、得意・不得意や長所・短所があるのと同じですね。つまり免疫力は、「ただ賢い免疫だけきたえればいい」というものではなく、「免疫系のさまざまな働きが、バランスよく活性化している」ことが大事です。

これは腸内環境と同じですね。免疫システムは、暴走することもあります。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスに代表される膠原病のような、治療方法が確立されていない40以上の難病は、「自己免疫疾患」これは、 免疫系が、自分の体のある成分を「非自己」と勘違いして、自分自身の正常な細胞や組織を激しく攻撃することからおきています。これもアレルギーです。アレルギーの発症には遺伝的な体質も関係しますが、食生活や精神的ストレスなどの生活習慣を改善して、免疫力を活性化することもたいせつです。

アレルギーには悪玉菌が効く

潰瘍性大腸炎とクローン病。どちらも腸の粘膜に潰瘍ができる難病で、免疫システムの異常から引きおこされる「自己免疫疾患」とされます。

国内の患者数は潰瘍性大腸炎が約10万5 000人、クローン病は約3万人。根本的な治療法がなかったこのふたつの病気に、「悪玉菌」とされることの多い腸内細菌が福音をもたらしそうだと、注目されています。

東京大学の本田賢也准教授らは、無菌環境で飼育したマウスの大腸には、T細胞(リンパ球の一種で免疫の司令官)の一種「Treg細胞」の数が、通常のマウスの約3割しかないことに気づきました。

Treg細胞は、炎症性腸疾患や関節リウマチなどの免疫システムの過剰反応を抑えるのに、極めて重要な役割を果たす細胞です。そこで、無菌環境でさまざまな腸内細菌を接種してみると、一般には悪玉菌とされるクロストリジウム属の細菌を接種した場合に、通常のマウスのレベルまでT r eg細胞が増えました。また、炎症性腸炎にかかりにくくなることがわかりました。ヒトの場合も、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんは健康な人に比べ、クロストリジウム属の腸内細菌が非常に少ないことがわかっています。クロストリジウム属の細菌には、ボツリヌス菌などの有害なものも含まれるので、よく「悪玉菌」扱いをされます。

しかし、無害なものもあり、ヒトの腸内で多数、ほかの腸内細菌と共生しています。ヒトの腸内のTreg細胞の数を、人為的に増やせるようになったら、異常な免疫応答を抑制できる可能性があります。自己免疫疾患の症状の軽減やアレルギー疾患の治癒に役立ちそうだと、現在、盛んに研究されています。

NK活性が低いとがんになる確率が2倍に

免疫の最前線で働くNK細胞の働きが弱いとがんになりやすいことを、私はヌードマウス(実験用にNK 細胞を取り去ったマウス) で確認しましたが、ヒトの実験でもはっきりした結果が出ています。

埼玉県立がんセンターが、世界で初めて一般人の追跡調査で「免疫力の個人差と発がんリスクとの関係」を実証しています。一般住民3500人の協力を得て、NK細胞の活性度が「高い・中程度・低い」の3グループに分け、1年間追跡しました。すると、NK活性の低いグループの人たちだけが、はかに比べて2倍ほど、がんの発生率が高くなっていました。

同センターでは1986年に、埼玉県内の40〜80歳の男女約3 500人から血液中のNK細胞を採取しました。それをがん細胞と混ぜて、NK細胞が何% のがん紳胞を殺すかを調べ、それぞれののNK活性の強さを求めました。そして3 50 0人を1997年まで追跡調査し、発がんの有無を確かめました。

NK活性の強さ別に3 グループに分けて分析したところ、「高」と「中」のグループは、がんにかかった率が、女性はいずれも2% 、男性は7% と6% 。男性の平均年齢が女性より高かったため、全体に男性の発がん率が高くなっています。「低」のグループは女性4 % 、男性9% と明らかに高く、年齢や喫煙、食習慣などの影響を取り除くと、「低」グループの人は、「高」「中」グループに比べ、男性で約1.7倍、女性は約2倍、「がんにかかりやすい」という結論が出たのです。免疫力とがんの関係がはっきりしました。

ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める

たった20分で免疫力をアップする方法

埼玉県立がんセンターでは、NK活性を高める方法として「緑黄色野菜を多く食べる」ことや「適度な運動」をすすめています。

ある実験では、NK活性を確実に上げる方法として「大笑い」に勝るものはなかったという結果がでています。40〜60代の男女8人に、まずは、採血で通常のNK活性を計測していただいてから、溝才番組をおよそ20分間楽しんでもらいました。たっぷりと笑ったあとに、再び採血。たった20分で、がん細胞を8%多くやっつけるパワーを獲得した人がいたのには驚きました。

慣れない実験のストレスのせいか、数値が下がった人もいましたが、結果は8 人中6人の免疫力がアップ。漫才などを見て笑うだけで免疫力が上がって、体内のがんを殺す力が増すなんて、これほど楽しい健康法はないでしょう。

電車に飛び込んでしまう人の共通点

コレステロールが、あいかわらず「悪者」にされ続けています。確かに心臓の悪い人にとつては、コレステロール値が高いということは、よいことではないかもしれません。

しかし別の見方をすると、これほど体にとつて大切なものはないんです。おかあさんが赤ちやんを育てる母乳は、コレステロールの宝庫です。コレステロールを含む中性脂肪がたっぷりのおっぱいを飲んでいると感染にも強い。離乳期に入ると、0-157 にやられたりすることがあります。

コレステロールを含(む中性脂肪は、0-157のような細菌の毒素を中和して無毒化するので、感染防御にはとても大事なもののひとつなんです。

コレステロールは細胞膜の大事な成分で、各種ホルモンのもとでもあります。強い血管もコレステロールから作られます。日本人は、年をとるとあっさりした食べ物を好む傾向がありますね。しかし、肉や卵を摂らないと、コレステロール値は下がってきます。そういう人は感染に弱い。

昭和4年ごろ、東北などのいなかに行くと、脳出血の患者さんがたくさんいました。農家でも卵や鶏はよそへ売っていた時代で、栄養が充分でなく、コレステロール値が低くて血管の弱い人が多かったのだと思います。

いまはだれでも肉や卵や牛乳を摂れるから、脳出血がグンと減ったとも考えられます。脳にもコレステロールをたっぷり与えておかないと、働きが悪くなります。

上場企業の役員の人などにはよく冗談で、「社員を採用するなら、コレステロール値が少なくとも200 mg/dl以上はないと。コレステロールの高い人は元気いっぱいで気性もアグレッシブだから、職場の雰囲気もよくなるし、営業成績も上がって会社の業績がアップしますよ」と言ったりします。

逆に身の回りの暗い顔をしてウツウツとしている人に、コレステロール値を聞いてみてください。きっと数値が低いはずです。

電車で朝、思いつめて線路に落ちる人のことを徹底的に調べたことがあります。5〜60歳ぐらいの男性がほとんどで、因果関係はよくわかりませんが、はば全員がコレステロール値を下げる薬を飲んでいたということでした。

そもそもコレステロール値についてはあいまいな部分が多く、どんな学者を連れてきても、「これが正常値」と言い切れる人はいないんです。

心臓さえ悪くなければ、300 mg/dlぐらいあったってどうってことない、と考える学者も大勢います。アメリカでは一般に「3 00までは放っておいて大丈夫」とされています。

コレステロール値を200以上と以下に分け、寿命を比べてみたら、高いグループのほうがずっと長生きだったというデータが発表されています。

発がん率も、コレステロール値の高いグループのほうが圧倒的に低い。女性は体質的にコレステロール値が高いんですが、心臓疾患はさほど多くありません。コレステロールをむやみに悪者呼ばわりするのは、そろそろやめたほうがよさそうですね。

なぜ、日光の木こりに花粉症はいないのか

いま日本人の5人に1人は花粉症だと言われます。花粉症は、スギなどの植物の花粉に含まれる特定のたんばく質に対して、免疫反応が強く働きすぎておきるアレルギーです。

ではなぜ、日光の木こりに花粉症がほとんどいないのでしょう。有名な「日光杉並木街道」のスギは、約1万250 0本。山に分け入ればその何十倍もの数が植わっています。実は日光市では、19 70年代からスギ花粉症調査を続けていて、年々花粉症の増加が観察されています。

花粉症はスギだらけの山の中ではなく、国道沿いの日光杉並木の周辺で、より多発しています。その増加曲線は、いろは坂の車両の通行量に比例しています。

  1. 土に落ちた花粉と違い、アスファルトに落ちた花粉は単に巻き上げられやすく、くり返し、鼻孔を直撃する。
  2. いろは坂周辺の住民は、大気汚染や騒音のストレスで、免疫力が落ちやすい。
  3. 木こりは早寝早起きで、仕事場は山の中だから、精神的ストレスが少ない。

日光の木こりに花粉症がいない(少ない) 理由は、このあたりにありそうです。アトピー性皮膚炎や喘息も含め、すべてのアレルギーには「免疫力の低下」が影響しています。木こりに習い、早寝早起き、わずらわしい人間関係は避ける、休日などには車の多い場所から離れて自然に親しむ、などの工夫をしたら、花粉症もほかの病気も軽くなると思います。

アレルギーは腸で治す

長寿者(100歳以上)の元気な人の腸内はこうなっている

大腸ガンが急増中、小腸ガンは聞かないけれど…

日本では男女共に大腸ガンが急増していますが、周囲の方で小腸がんになってしまったという人はいません。大腸がんはいま、日本人女性のがんによる死因のトップ、数年後には国民の死因のトップになる勢いで増え続けています。

同じ腸なのに、なぜ大腸がんは多く、小腸がんはないのでしょう。これは「医学界の七不思議」と言う人もいる、奥の深いミステリーです。がんだけではありません。大腸の病気は、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群など、よく知られているものだけでもいくつもあるのに、小腸本体の空腸や回腸に特有の病気というのはなかなか耳にしません。

口から食道を通って、胃、小腸、大腸、肛門にいたるまでの1本の長い管を「消化管」と呼びます。その中で小腸(十二指腸+空腸+回腸) は全長約7  mもあり、全消化管の.75% を占めています。表面積で言えば、大腸1 に対し小腸9ぐらい。名前はスモールでも、占有率から言うと大腸より小腸のほうがずっとビッグ。小腸は消化の中枢をにない、自己判断でせっせと正確に激務をこなしています。

対する大腸の働きは、食べカスの水分を吸い取ることと、便をためておくこと。祖先が魚から両生類へ進化して陸に上がってきた時、水の中のような「たれ流し」スタイルでは、敵に居場所がすぐわかって襲われてしまうから、便を一時ためておくための大腸が「増設」されました。

ともかく小腸のほうがずっと精密でデリケートな作業を受けもつているのに、消化管の腫瘍に占める小腸がんの割合は、0.00 いくつというレベルです。

大学病院の外来でも、小腸がんの患者さんは数年にひとりいるかいないかです。それも「入り口」の十二指腸がほとんどで、小腸の本体、空腸や回腸のがんは、極めてまれです。日本だけでなく、中国でもインドでもアメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、世界中どこでも同じです。

小腸がんのない理由として一般的に言われているのは、「発がん性物質の分解酵素が、大腸よりも強く働くため」「免疫細胞の働きが非常に活発だから、がん細胞を排除する」などがあります。

ストレスまみれの大腸をストレスから救え

小腸は生物の原点で、何億年もの進化の歴史をくぐり抜けてきた器官だから、めったなことでは病気にならないのではないでしょうか。
もし小腸が簡単にやられてしまうなら、その生物は種をつないでいけません。

だから「あと付け」の胃や大腸はやられても、小腸だけは最後まで動いてくれる。小腸には1億個もの神経細胞がありますが、そのうち脳につながっているのは、わずか数千個。脳との経路をカットされても、なんの不都合もなく独立して機能していけます。

それは「脳のストレスの影響を受けない」ということでもあります。一方の大腸は、脳と密接にネットワークしていて、自律神経に支配されています。だからストレスまみれで、がんも病気も多発するのでは… 。

最近は、カメラ内蔵のカプセルを飲んで、小腸のすみずみの画像をきめこまかくチェックできるようになりました。でも、もし小腸になにか不具合が見つかっても、小腸自身の自然治癒力に任せたほうが確実かもしれませんね。

乳酸菌は、糖類から乳酸を生産する微生物の総称。酸素があっても生きられます。ビフィズス菌は、主に酢酸と乳酸を生産し、酸素があると生きられません。善玉菌たちは互いに力を合わせ、それぞれに分泌液を出し、混ぜ合わせることによって「有効物質」を作り出します。それがバリア網の役割を果たし、悪玉菌の活動を押さえこんで殺すほか、悪玉菌が生み出した有害物質を中和して、病気の根源を絶ちます。

ただし、単純に善玉菌と悪玉菌を区別できないところもあります。たとえば人間にとつて有用なビタミンを作る「バクテロイデス菌」は、そこだけをとれば善玉菌。

しかし他方では、発がん性物質も作っています。また一般に、体によい物質を出すのは善玉菌、悪い物質を出すのは悪玉菌と区別されていますが、悪玉菌の大腸菌が腸内の栄養分を食べ始めると、乳酸菌も負けじと栄養分を食べるというように、お互いの存在があるから成り立っている面もあります。だから、免痩力を高めるには「善玉菌がやや多めのバランス」が肝心なんです。悪玉菌がゼロの状態もよくない。

たかが便秘、されど便秘、怖い結末が待っている

朝の通勤タイムに、山手線の駅トイレに入ると驚きます。大便ブースの前に、青い顔をした男たちが何人も並んでいるのです。検査しても腸には異常がないのに、お腹がたびたびゴロゴロしたり、下痢と便秘をくり返す「過敏性腸症候群」が増えています。

過敏性腸症候群 | Condition
https://condition-info.com/archives/1146

朝の通勤通学の電車の中でガマンできなくなり、途中下車してトイレに駆けこむ姿から「各駅停車症候群」とも呼ばれます。

日本人の5人に1人が悩まされ、男性だけでなく女性にも大変多い。便秘に悩む人も、いま日本全国で1000万人と推定されています。

ビフィズス菌などの善玉菌は大腸の入り口で増殖するので、便が奥に進むほど善玉菌の影響がしだいに弱まります。なので便が腸にとどまる時間が長いはど、悪玉菌が増殖し、有害物賞も増え、それが腸壁から体内に吸収されます。

有害物質は血液に溶けこみ、全身をめぐります。便秘をすると自律神経のバランスが乱れ、血行も悪くなります。だから便秘が続くと吹き出物やクマにも悩むことになり、くすんだ「老け顔」になってしまいます。皮膚は「内臓の鏡」と言われるほど忠実に、腸の状態を映します。

いつも顔色が悪くて、体調がバッとしない人は、まず便秘退治が大切です。

大腸がんも増え続けて、2015年には白本の女性の死亡原因の第1位、男性の死亡原因の第3位になるのでは、という予測もあるほど。日本人の腸は、すっかりひ弱になり、がんにつけこまれやすくなっているようです。

風邪やインフルエンザが、季節を問わずはやること。花粉症やアトピーが増え続けていること。頭痛、不眠・うつ、更年期障害などの自律神経の乱れからくる不調も、生活習慣病も、改善の気配が見られないこと…。

国民的な不調のすべては、腸を健康にして免疫力を高めれば、一掃できます。そのカギをにぎるのが、腸内細菌です。

善玉菌を増やし快腸になる「乳酸菌酵母共棲培養エキス・ プシュケー」 | 自分の免疫力で治す
https://www.d-blood.info/2017/06/27/%e5%96%84%e7%8e%89%e8%8f%8c%e3%82%92%e5%a2%97%e3%82%84%e3%81%97%e5%bf%ab%e8%85%b8%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%80%8c%e4%b9%b3%e9%85%b8%e8%8f%8c%e9%85%b5%e6%af%8d%e5%85%b1%e6%a3%b2%e5%9f%b9%e9%a4%8a/

薬でお腹をこわす理由

ここ10年ほどにわかに、腸内環境を、生きた微生物で整える「プロパイオテイクス」の考え方がヨーロッパから世界に広まっています。

一方、病原菌を殺して病気を治す抗生物質を「アンチバイオテイクス」と言います。病院で処方された抗生物質をしばらく服用したら、お腹の調子がおかしくなった…そんな経験は多くの人がしていると思います。腸は体内の発酵工場のようなものなので、微生物や細菌が複雑な形でかかわって消化・吸収に働き、免疫力も発揮しています。

抗生物質は病原菌と一緒に腸の善玉菌も殺しやすく、免疫力を落とします。抗生物質を服用して腸内細菌のバランスが破壊された子どもには、アレルギー症状の出現率が高いこともわかっています。

プロパイオテイクスは真逆で、微生物と「共生」し、自然治癒力を高めて病気を遠ざけようという考え万です。「生きて腸に届く乳酸菌」というフレーズも、耳にしますね。

そのパイオニアは日本人です。故・代田稔博士は、80年も前に「予防医学」「健腸長寿」を捏唱し、乳酸菌シロタ株(ラクトバチルス・カゼイシロタ株。通称ヤクルト菌)を発見しました。を発見しました。

世界初の、人腸由来の「生きて腸に届く乳酸菌」でした。代田氏は1899年(明治32年)生まれ。当時の日本は衛生状態が悪く、子どもたちが赤痢やチフスでバタバタと命を落としていました。「疫病の原因は細菌で、かかってからでは治す方法がない。ならば、かからないための予防で人を救いたい」と、京都帝国大学医学部で微生物の研究を始めます。

腸が丈夫になり元気になると人間は健康になる

「人が栄養を吸収するのも、病原菌が暴れるのも腸。腸が丈夫になってこそ、人は健康になれる」と考えた代田氏は、「人腸乳酸菌」に着目しました。

乳酸菌は乳酸を生産することによって、悪玉菌を減らしてくれます。「病気の原因は85% が微生物。腸には悪いい菌も、それを抑えるよい菌もたくさんいる。よい菌を人の腸から取り出して培養し、腸まで生きて届くようにすればいい」当時、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌が腸の有害な微生物を抑えることは、すでに知られていました。が、ネックは口から摂ると強い胃酸にやられて、死んでしまうこと。

代田氏は、人の腸にすむ乳酸菌をひとつひとつ取り出し、胃液や胆汁を加えた培地で「きたえあげる」、強化培養に没頭しました。1930年、人腸乳酸菌の中の、酸にもアルカリにも強い株を分離し、強化培養することに、世界に先駆けて成功します。

強い酸性の胃酸だけでなく、アルカリ性の胆汁にも負けず、生きたまま便として出てくる、タフな乳酸菌の誕生でした。代田氏の名字をとつて「L ( ラクトバチルス)・カゼイ・シロタ株」と名付けられました。

それから80年を経て、乳酸菌シロタ株の、潰瘍や大腸がん、膀胱がん抑制などのさまざまな薬効が証明され、医療にも取り入れられています。

NK細胞の働き(NK活性)が弱まっている9人に、シロタ株入りの乳酸菌飲料を3週間飲んでもらったところ、直後からNK活性が高まり、その効果は6週間持綺することを確認しています。

日本ではほかにも、「明治ヨーグルトR-1」(明治) のR-1乳酸菌など、免疫力アップに働く乳酸菌が発見されています。

ヨーグルトを毎日食べる理由

腸内にすむ細菌の数は、ほぼ一定に保たれています。大人の腸内細菌のバランスは、かなり個人差がありますが、おおよそ日和見菌が全体の約70% 、善玉菌と悪玉菌がそれぞれ約15% 。善玉菌のほうがやや優勢だと、悪玉菌が暴れず、よい腸内環境が守られます。

善玉菌と悪玉菌がうまく「すみ分け」をしてくれれば問題ないのですが、人間社会と同じで、そう平和にはいきません。どちらの菌も、常に自分の領地を拡大しようとたくらみ、戦闘をくり返しています。

一般的に、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると悪玉菌が増えます。これも人間の社会と同じで、悪玉菌が多いと、不安定で病気の多い体になります。

また、いちばん数が多いのは、とりたてて善行も悪さもせず、その時の風向きを見て強そうなほうになびく日和見菌です。

善玉菌の勢力が弱まり、悪玉菌が増え出すと一大事です。腸内では腐敗が進み、アンモニア、インドール、フェノールといった有害物質が発生。腸管から吸収されて全身を駆けめぐり、肌荒れのもとになったり、風邪をひきやすくしたり、さらには心臓にまで悪影響を及ぼします。

慢性的な病は腸の汚れからはじまる | 便秘解消で解毒
https://constipation-guide.net/detox/2019/07/17/%e6%85%a2%e6%80%a7%e7%9a%84%e3%81%aa%e7%97%85%e3%81%af%e8%85%b8%e3%81%ae%e6%b1%9a%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%af%e3%81%98%e3%81%be%e3%82%8b/

善玉菌はもともと年とともに減るうえに、食生活の乱れやストレス、過労など、さまざまな原因で減ります。逆に悪玉菌は、悪役らしくふてぶてしい。宿り主の不摂生やストレスは絶好のチヤンスで、急増します。

腸内が腐敗すれば、それをエサにいっそうパワーアップします。ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ると腸内の善玉菌が増えるのは、乳酸菌、ビフィズス菌に加え、腸の中でビフィズス菌のエサになる乳糖も含まれているから。さくさんビフィズス菌は乳糖を食べると乳酸、酢酸などの酸性物質を作り出します。

悪玉菌は酸性の環境に弱いので、増殖が抑えられます。生きたまま腸に届く乳酸菌を摂ると、腸粘膜をはどよく刺激し、体の免疫力を活性化させます。

もし乳酸菌が死んで腸に届いても、食物繊維と似た働きもあり、悪玉菌を掃除して体外に排泄してくれるので、よい腸内環境を作る助けになります。ただし、もともと腸にすんでいるビフィズス菌のような形で腸にとどまることはできません。だから乳酸菌は、毎日摂ることが必要なのです。ちなみに人間の便の7〜8割は水分、残りの1〜2割くらいが腸内細菌、1割強が食べ物の残り。食べカスより腸内細菌のほうが多いんです。健康な大人の便には、1 gあたり、1000億個もの細菌が含まれています。死骸もあるし、生きている細菌もいます。その大半は腸の中にすむ細菌で、ビフィズス菌や大腸菌も含まれます。

がん、認知症の腸内

風邪をひいた人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が極端に減り、悪玉菌の数が優勢になっています。

便秘や下血刑の時も同じです。最近の調査で、胃がんの人の腸では、大腸菌よりももっと悪質なウェルシュ菌が異常に増加していることが確かめられています。一見、腸とは関係なさそうな認知症の人にも、胃がんの人に似た悪玉菌の異常増殖が見られます。

心臓疾患や脳梗塞との関連もわかっています。肝自律神経と腸内細菌も、密接にかかわりあっています。私たちがストレス状態になると、それを緩和しょうと、防衛反応として脳下垂体からアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。結果として交感神経が優勢になり、副交感神経を抑えます。

腸の動きや消化液の分泌は副交感神経に支配されているので、ストレス状態が長く続くと腸内細菌のバランスや体調が悪くなります。

腸に負担をかけないために逆算の食事療法を実践する | 自律神経失調症の基礎知識
https://jiritsu-guide.com/2017/11/10/%e8%85%b8%e3%81%ab%e8%b2%a0%e6%8b%85%e3%82%92%e3%81%8b%e3%81%91%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ab%e9%80%86%e7%ae%97%e3%81%ae%e9%a3%9f%e4%ba%8b%e7%99%82%e6%b3%95%e3%82%92%e5%ae%9f%e8%b7%b5/

くさいおならは病気のサイン

「くさいおなら」「人前で出るおなら」を気にする人が増えています。急にくさくなったり、ところかまわず出るようだったら、腸内に悪玉菌が増えているサイン。近年の研究で、腸内で悪玉菌が増えると、腸内発酵ではなく「腐敗」が進むことがわかっています。

おならのにおいは腸内の状態を示すバロメーターなんです。1日に腸で作られるガスは、大人で400〜15 00 mlそれを5〜20回ぐらいに分けて放っています。腸内のガスのもとは7〜8割前後が、口や鼻を通って入ってくる空気中の酸素や窒素。だから炭酸飲料も、おならの原因になります。

「ガスでお腹が張って苦しい」と訴える人は、ストレス性が多いです。緊張やイライラから無意識のうちに空気を飲みこむ、早食いのついでに空気もガプ飲み、ということもよくあります。ゆっつくりかんで食べれば、唾液と混ざって「ガス抜き」できます。ストレスは腸の働きやぜん動運動(便を先に送り出す動き) をさまたげるので、さらにガスがたまりやすくなります。腸内ガスの多くは便と一緒に排出されるので、排便時に腸をもむ(下腹の両脇を中心にもむ) などして、できるだけ多くのガスを一緒に出してしまうのも手です。残り2〜3割の腸内ガスは、食物を分解する時に作られます。

まず、イモや豆などの炭水化物が腸内細菌によって分解されると、二酸化炭素やメタンなどのガスが発生します。これは発酵型のガスでさほどにおいません。2番目が、肉や卵などのたんばく質系。これは分解されると、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミンなど腐敗型のガスに変わり、とりわけ便秘と組み合わさると、強烈なにおいのもとになります。3番目は脂肪です。分解されると揮発性の脂肪酸になり、においは汗に似ています。

つまり、「鼻をつまみたくなるおなら」が出るのは主に、たんばく質が分解された時です。実は分解にも細胞の役割分担があり、炭水化物は主にビフィズス菌等の善玉菌、たんばく質や脂肪は主に、ウェルシュ菌等の「悪玉菌」が受けもちます。

たんばく質は悪玉菌を活性化させ、もとから悪玉菌が優勢だった場合は、一気にのさばります。食事は楽しんで食べることがたいせつなので、肉を断つ必要は全くありません。

ただ、動物性たんばく葺を摂る時は、乳酸菌に加え、野菜、イモ、豆、海藻に含まれる、水溶性食物繊維をなるべく摂ってください。これらは腸の中に入ると水分を含んでドロリとしたゲル状になり、いらないものを吸着・排出するので悪玉菌を抑えてくれます。水溶性食物繊維は、腸の中で善玉菌のエサにもなります。

100歳でダンスを踊るグルジアの人の腸内

若い人の腸の中は「善玉菌」のビフィズス菌が優勢で、「悪玉菌」のウェルシュ菌は劣勢。そのバランスが50歳ごろから逆になって悪玉菌が急増。

高齢になるとビフィズス菌がゼロになってしまう人も珍しくない… 。これが腸の常識ですが、1 0 0 歳になっても善玉菌たっぷりの人々もいます。

中央ヨーロッパのコーカサス地方に、有名な長寿国・グルジアがあります。90 歳、100歳の超高齢者が多いだけでなく、背すじがしゃんと伸びて、軽い足取りでダンスを楽しむ人が大勢いることが、注目の的になっています。

その秘密はどこにあるのだろうと、世界中の長寿学の権威たちが、さまざまな角度からグルジア人の健康調査を続けてわかったことは、「年をとっても、腸内に善玉菌が非常に多い」こと。超高齢になっても、乳酸菌やビフィズス菌の数が若い人と大差ないのです。

首都・トビリシに滞在した知人いわく、朝、通りから聞こえてくるのは「い〜しや〜きいも〜」に似た「マ〜ツォ〜ニ〜」という声。

現地ではヨーグルトを「マツォニ」と呼び、近郊の村から、ヨーグルト売りたちが毎朝、大きな瓶にできたてを詰めて、売りにくるそうです。ヨーグルトを自分の家で作っている家も多く、毎朝、どんぶり1杯ぐらいずつ食べるのが当たり前。

そしてグルジア人は、あけっぴろげで大変なおしゃべり好き、ジョーク好き。笑い話が非常に好まれ、友人同士で「とっておきのネタ」を披露し合っては、しょっちゅうゲラゲラ笑い転げるのがレクリエーションです。

世界中から「長寿の取材」に押し寄せる記者やカメラマンに、ご老人たちが放つ、お気に入りの定番ジョークは「若い女の知り合いがいたら、紹介してくれないか?」。冗談ではなく本当に、生涯現役の人も多いというからおそれ入ります。

100歳になっても働きながら生きる
https://miracle-memo.com/longevity/

冗談ではなく本当に、生涯現役の人も多いというからおそれ入ります。もうひとつの長寿の秘境、パキスタンのフンザ地区でもヨーグルトがよく食べられています。フンザと並び称せられるエクアドルのビルカバンバの人の主なたんばく源は、牛乳に食塩を入れず、牛の十二指腸のエキスを混ぜたナチュラルチーズ。これに似たチーズを、グルジアの人も好んで食べます。

発酵乳の長寿パワーおそるべし、です。日本人はどうでしょう。腸内柵菌の権威、光岡知足先生は、かつて日本の長寿村として知られた山梨県・ゆずりはら桐原村の長寿者たちの腸を198 0年前後に調べて、「悪玉菌の割合が東京の老人ホームの老人より低く、東京都の青壮年の腸内細菌バランスに近い」と報告しています。

調査当時の長寿者は、雑穀、野菜、海藻、魚の干物、そして味噌と味噌煮を好んで食べていたそうです。これから納豆の「腸括」パワーについて紹介しますが、味噌は納豆と「兄弟」で、腸内の乳酸菌を増やす力が強い食品です。

はとんどは、肉も魚も野菜も卵も、バランスよく食べている、とがわかっています。また、l 日260 g のヨーグルトを、65歳以上の男女に、2 週間食べ続けてもらったところ、うんちをくさくする便中のアンモニア、スカトールが、いずれも摂取前の半分以下に減った、というデータが報告されています。「うんちがくさくなくなる」ということは、善玉菌が増えたということ。

つまり、年をとつてからでも、腸の中の環境は意外にかんたんに改善できるということになります。「長生きする腸」は、自分の意志で作れるんです。

善玉元気 フローラ健康科学研究所の腸内環境を整える乳酸菌発酵エキス | 便秘を解消しよう!
https://benpi-guide.net/contents/archives/2863

免疫力を簡単チェックで自己診断して判定 実年齢と比較しての免疫年齢がわかる

頻繁に風邪をひいたり、お腹をこわす人がいる一方、周囲の人がインフルエンザや食中毒でバタバタ倒れても、ひとり平気な人もいます。

若くしてがんに倒れる人もいれば、病気知らずで100歳まで働き続ける人もいます。同じ50歳でも、老人のように見える人も、つやつやした人もいます。その差はどこから生まれるのでしょう。

それは、免疫力です。人の「若さ」と「健康」を決めるのは、年齢ではなく、「免疫力がどれだけ高いか」。ここで、免疫力年齢をチェックしましょう。普通の健康診断とは、かなり毛色が変わっていると思いますが、まずはやってみてください。

Aの項目

  1. 早寝早起き。または就寝時間がほぼ一定。
  2. よく出歩く
  3. 何でもよく食べる
  4. ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆のいずれかを毎日食べている
  5. コレステロール値は200~300 mg/dl
  6. 夫婦仲は悪くない(既婚者)
  7. ひとりの生活を楽しんでいる(独身者)
  8. 細かいことは気にせずにのんきに過ごしている
  9. お笑い、落語などをよく見る
  10. 人と話すのが好き
  11. 何でも話せる友がいる

Bの項目

  1. 緊張感のない生活を送っている
  2. 平熱が36.5度以下で手足が冷えやすい
  3. 薬、サプリが手放せない
  4. うんち、おならが臭い
  5. 大笑いは滅多にしない
  6. 誰にも打ち明けられない秘密がある
  7. 健康管理は神経質
  8. 趣味や夢中になれることがない
  9. 悩みや落ち込みをひきずってしまう
  10. 風呂では石けんでごしごし洗う
合計点
  • Aのチェック項目数×1
  • Bのチェック項目数×-1

診断

あなたの免疫年齢は実年齢に対して…

8~10点
10歳以上苦い。元気に100歳を迎えられる可能性大。
4~7点
よそ5歳若い。健康に長生きできる可能性大。
0~3点
ほぼ年齢相応。心がけ次第で、健康長寿者の仲間入り。
-1~-3点
やや老けている。心身に不調が起きやすい
-4~-7点
およそ5歳老けている。さまざまな病気を抱える可能性大。
-8点~-10点
およそ10歳老けている。このままでは早死にする可能性大。

腸内には免疫細胞の70%がある

自己診断の結果は、いかがでしたか。マイナスになった人は、便秘や下痢などの腸の不調にお悩みだと思います。

免疫力年齢をプラスに転じてください。プラスになった人は、さらなる免疫力の増強を。さて、偉大な腸の話から始めます。どんなにすました人も、悪い物を食べてお腹(腸) がゴロゴロいい出したら最後、血相を変えて体をくねらせ、トイレに駆けこむしかありませんね。

たいていの頭痛はこらえられますが、下痢をこらえることはできません。腸は、脳から指示を受けないで「勝手に」、食物を消化して吸収し、カス(便) を外に出すという大仕事をしています。

胃から下りてきた食物成分を瞬時に分析し、膵臓、肝臓、胆嚢などに指令を出して、いちばん合う分解酵素を出させています。もしも有毒な物が入ってきたら、すぐに多量の腸液を分泌して便をゆるくし、猛スピードで体の外へ出させようとします。

これがいわゆる下痢で、体の非常に重要な防衛反応です。日本人の腸の全長は約9 mもあり、無数のひだをすべて広げるとテニスコートおよそ1面分、体表面の100倍の広さを有します。

この広大な面積をもつ腸に、体内の免疫細胞の70% が集まっています。中でも約7 mもある小腸は、

  1. 食べ物から栄養を吸収
  2. 病原菌の侵入を防ぐ

という、腸の主要任務を行っています。司令塔は小腸の粘膜に分布するバイエル板。リンパ球(免疫システムを担う血球の総称)が密集しています。

病原菌などの異物を見つけると、このリンパ球の一部が異物をとらえ、暴れないよう封じこめる免疫抗体(免疫グロブリン) を作ります。これが腸管免疫システムです。大人の体内では、毎日約4 gの抗体が作り出されています。

たとえばインフルエンザにかかると、この腸管免疫システムが働いてウィルスとの闘いが始まり、発熱、関節の痛みなどの症状が出ます。しばらくして、リンパ球で抗体が作られると、インフルエンザは治ります。

作られた抗体はずっと体内にとどまるので、ウィルスの種類が同じインフルエンザには、すぐに対応してくれます。たとえ再び感染しても、症状はごく軽くてすむわけです。

NK細胞のように、血管に入って働くリンパ球もあります。相手を特定せずに全身の血液中をめぐってパトロールを続け、ウィルス、病原菌、できたてのがん細胞などを見つけると、即刻殺していきます。同じように血管に入り、全身の免疫システムを指揮するリンパ球もあります。

腸管免痩システムは、腸で働くのに加え、血液に入って全身をめぐり、外敵から守る働きもしているんです。こういった働きを総合して、「腸は最大の免疫器官」と言われています。腸さえ元気なら全身の免疫システムが活性化して、病気を遠ざけられるのです。

弱った体が蘇るヨーグルト

てっとり早く腸を元気にして免疫力を上げる(腸内細菌のバランスを整える)方法は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、毎日、乳酸菌を摂ること。腸を元気づける、最も手軽で、毎日食べてもあきない食べ物はヨーグルトと、ヤクルトに代表される乳酸菌飲料。

ただし、乳酸菌が入っていればなんでもいいわけではありません。70 〜80歳の人にR-1乳酸菌使用のヨーグルトを毎日90g、8〜12週間続けて食べてもらったところ、NK活性が低かった人も、数値が正常領域に上がっていました。

また生きたまま腸に届く乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)を摂り続けると、大腸がんや膀脱がんの抑制に働くことがヒトの体で証明され、医療の現場にも取り入れられています。

乳酸菌にはさまざまな種類と「効能」があり、体との相性もあります。「どう選ぶか」が肝心です。

もうひとつは、ストレス退治のための「大笑い」。高尚な努力はまったく必要ありません。腸の免疫力の主力選手、NK細胞は「大笑い」することで、驚くほど簡単に活気づきます。バカを言って笑い合ってストレスを吹き飛ばせる仲間がいれば、最高です。

家にいる時は、お笑い番組でも落語でもマンガでも手段はなんでもいいんです。ゲラゲラ笑う時間を、予定に意識的に組みこんでいってください。

笑いによって心身がリラックスし、自律神経のバランスが整ってNK活性が高まることは、さまざまな医学的実験で確かめられています。

テレビの公開実験で、70 歳をすぎたある俳優さんにお笑いコントを見ていただきました。かなり低かったNK活性の数値が、ゲラゲラ笑っただけで10倍にはね上がったのには驚きました。上品なスマイルより、体をゆすってガハハと笑うほうが効果的です。