元気な体で長生きするには fine live long

花粉症で円形脱毛症が治る?

突然ぼっかりと穴が開いたように「10円ハゲ」ができる、円形脱毛症。これには免疫の「異常」が深くかかわっています。

円形脱毛症は、生まれたばかりの赤ちやんからスポーツ選手、お笑い芸人、女優まで、男女や職業を問わずいつだれに出るかわからない、謎の多い病気です。10〜40歳がピークで、4割以上がアトピーの素因をもち、「アトピー性円形脱毛症」という病名もあるほど。

数カ所に脱毛がおきたり、頭全体に及ぶこともあります。花粉症がひどくなると円形脱毛症が治る例も見られ、主因は体内のアレルギーが合併することなどによる「自己免疫異常」(免疫が暴走して、自分を激しく攻撃してしまう症状)、ではないかと考えられています。

ある女優さんが「結婚への準備を進めるうち、ケンカが多くなって、こんな状態で大丈夫だろうかとネガティブなことばかり考えていたら、円形脱毛症になった」と告白したように、精神的ストレスは大きな引き金になります。

アレルギーをもつていない人の場合は、ストレスなどによって自己免疫異常が一時的に発生して、毛紳細胞などに攻撃の矛先が向けられる。アレルギーをもつ場合もストレスが引き金になって発症し、アレルギーによって重症化する。そういう考え方もできます。ストレスが原因の場合は、そのストレスやプレッシャーがなくなれば9 割は、半年以内に完治します。

僧侶はどうして長寿

法然は80歳、親鸞は90歳、天海は100歳を超える長寿でした。しかも、皆、ボケませんでした。そのほかにも100歳まで生きた僧侶は数知れず。どうしてお坊さんという職業は、ボケずに長生きをしやすいのでしょうか。

現代のお坊さんも、2010年に107歳で大往生した永平寺貴主・宮崎変保氏や、同じく107歳で1983年に逝った京都・清水寺貢主・大西良慶氏を筆頭に、100歳を軽く飛び超える長寿者がひきもきりません。

超長寿のお坊さんのライフスタイルを免疫力の観点から見ると、なるほど、と合点のいくことがたくさんあります。

「定年がない」という幸せ

サラリーマンの定年はだいたい60歳ですが、仕事一筋に生きてきた人ほど、退職したとたん「本当に楽しいと思える趣味がない。仕事を抜きにつき合える友人もいない」と、どっと老けこんでしまう傾向があります。

特に「一部上場企業のまじめ部長」で定年を迎えた人は、現役時代にストレスが多すぎるのか、7年ぐらいで亡くなる例が多いと、生命保険会社の調査でもわかっています。

同じくバリバリ仕事をして定年になっても、女性のほうは合い間にちやんと趣味も仲間も見つけて、元気に長生きするのに男性はダメです 。

対してお坊さんの60歳は、まだ「ひよっこ」扱い。「僧侶としての本当の勝負は鮒歳から」という世界です。まさに死ぬまでお勤めができるわけです。知り合いの60歳の住職が「坊主の世界は、70歳でもまだ鼻たれ小僧。上に長老がい〜つばいひしめいておられて、みなさんお達者で」と苦笑いしていました。「なすベきことがある」ということが、最高の長寿法なんですね。

読経と作務は、理想のNK活性運動

健康の秘訣として、表現はよくないのですが「運動はちんたら、ちんたら」と申し上げます。お坊さんの生活には、ほどよいNK活性運動がちりばめられています。

まず毎日、無心にお経を唱えます。声をはり上げたり、仏を心に念じて静かに唱えたりますが、共通するのはすばやく息を吸い、声とともに長く息を吐くこと。

白隠禅師は、へその下の「気海丹田」に気を集中させる呼吸法で、自らと多くの弟子の病を治したと言われます。

現代科学に照らすと、お経を唱えることで、自然と腹式呼吸になって自律神経が整うとともに、背筋が伸び、体温が上がって血流がよくなります。

腹から大声を出すことは「大笑い」と同じ、大変有効なストレス解消法。また、無心になることで、ストレスから離れられます。そして伝統的なお寺では、読経や座禅などの合間に、典座(炊事)、掃除、洗濯、まき割り、風呂焚きなどの「作務」を行います。これぞ理想の「ちんたら、ちんたら」全身運動です。女性が長生きなのも、生涯を通じて、家事でほどよく体を動かすことが大きいでしょう。

人とよく会う

年をとって腰や膝が弱ってくると、ついつい出不精になってしまいがち。家にいて1日ほとんどだれとも話さないと、表情まで「死んで」、免疫力がどんどん衰えます。「廃用症候群」という言葉があり、人間の体は使わないとみるみる衰えていきます。その点、お坊さんは毎日あちこちに呼ばれて、いろいろな人と接します。そうやってみなさんから「生きる力」をいただいているというわけです。

よく歩く

「寿命は歩く距離に比例する」という言葉がありますが、前述したように、毎日ジョギングを、などと意気込むと体に毒になってしまいます。

気ままに散歩、くらいの気持ちで、ちんたら歩くのがいちばんです。お坊さんの場合は、庫裡から本堂まで歩くだけでもかなりの距離になります。大法要の時などは準備のために、何度も往復します。「仏様に歩かせていただいている」のですね。最近は運動不足で生活習慣病になるお坊さんも、とても多いようですが。

意外にマイペース

お坊さんの食生活と言えば、基本は腹7~8分目の精進料理。しかし、お釈迦様も布施された肉はいただいていたように、肉食が禁じられているわけではありません。

また、戒律で酒を飲めないことになっていても、日本の寒い山の上のお寺では「般若揚」と呼んで、熱欄で体を温めます。

そう、お坊さんの生活には意外に「抜け道」が多い。私は仕事柄、いろいろな分野の人とお目にかかりますが、とりわけ「高僧」と呼ばれる偉いお坊さんほど自分に正直で、悟りを開いて、好き勝手に生きている日本人はいない気がします。

会食でも、なんでもよく召し上がるし、よくしやべる。1 0 7 歳の長寿を全うした大西良慶氏は、長寿の秘訣を聞かれると決まって「よく食べて、よく働いて、よく眠ること。この3つが回転してこそ、信仰生活もよく保たれる」と答えたそうです。

普段は精進料理が基本でしたが、やはり会合では肉も魚もよく召し上がり、80 代の時に、大好きなモチを一度に12個食べたというエピソードも残っています。お酒も大好きだったそうです。こういう、けたはずれにマイペースな人が、お坊さんにはとても多いです。

規則正しい生活リズムと心の平安

そして、お坊さんの普段の生活は、早寝早起きで、決まった時間に「お勤め」をして、とても規則正しく、信仰と座禅で「心の平安」が保たれています。瞑想の達人だったお釈迦様は、「目の前に雷が落ちても微動だにしなかった」そうです。キリスト教のイエス・キリストの寿命は34歳。イスラム教のマホメットは62 歳。世界三大宗教の中、仏教のお釈迦様だけが、当時としては信じられないほどの、80歳という長寿でした。仏教は「長寿の宗教」なんですね。

タバコは本当に「悪」なのか

タバコと言えば、いまや猛毒のような扱い。禁煙運動も盛り上がって喫煙者は半減しましたが、アメリカでも日本でも、なぜか肺がんで亡くなる人は増える一方ですね。

一方でアメリカでは「タバコを吸う人は、吸わない人に比べて潰瘍性大腸炎にかかる率がほぼ半分」という統計が出ています。タバコの菓に含まれるニコチンに、炎症を抑える働きがありそうだと、医療の現場ではニコチンガムやニコチンパッチ(皮膚からニコチンを吸収する貼り薬) による臨床試験が世界中で行われています。

出血性下痢や腹痛などの症状がやわらぐ例が、数多く報告されています。最近の研究では「タバコの煙にごく少量含まれる一酸化炭素が、潰瘍などの治療に有効」という仮説が浮かんでいます。

腸炎を自然発症したマウスに、ごく微量の一酸化炭素を吸わせると、炎症のもとになる物質の発生が抑えられることが確かめられ、こちらも臨床試験が始まっています。

愛煙家が「一服すると心が落ちつく」と感じる理由も、科学的に解明されつつあります。ニコチンが神経系と免疫系の連絡役をして、セロトニンなどの、精神安定物質を脳内に放出させるようです。セロトニンは免疫力を高めます。

現在、ニコチン由来の医薬品の研究は、傷の治療、うつ病や統合失調症、アルツハイマー病、ADHD(注意欠陥多動性障害)などさまざまな分野で、活発に行われています。

タバコはもともとアメリカインディアンたちの間で、「悪霊を追い払う万能薬」として珍重されていました。アメリカ大陸発見によってヨーロッパに伝わり、1560年に、フランス王アンリ2世の公使、アン・ニコが「これまで不治とされてきた腫れ物や、ただれた古傷を治す薬草」として母国にタバコを紹介します。

これが「ニコチン」という名の由来になりました。タバコはヨーロッパで、咳や喘息、頭痛に効く薬として大流行し、家庭の常備薬になりました。特にイギリスでは、結核などの空気感染の予防薬として、なんと学校で子どもたちに吸わせていた時代もあったほどです。柑世紀のヨーロッパでは「腸の病気に苦しむ患者には、肛門からタバコの煙を吹きこむ」療法が行われていました。19世紀以降の近代医学によって、タバコの害がしだいにクローズアップされるようになりました。

JT(日本たばこ産業) の研究職は、タバコを吸うのも仕事のうち。そんな方に聞くと、職場の同僚や先輩後輩に、肺がんになった人はほとんどいないそうです。

J T社員の健康データはきっちりとってあるようなので、世間の肺がん死亡率などと比べてみたら、意外な事実が浮かび上がるかもしれませんね。

若い時はともかく、50歳ぐらいまでタバコと線が切れなかった人が無理して禁煙すると、そのメリットより、ストレスのデメリットのほうが上回り始めるのではないかと考えられます。人に迷惑がかからない範囲で「きょうも元気だタバコがうまい」と感謝して、楽しく堂々とタバコをくゆらせたほうがNK細胞は元気に働きます。

肉好きは堂々とステーキを食べればいいし、甘いもの好きはおやつを楽しんだほうがいい。公式記藤史上の長寿世界一は、1 22歳で亡くなったフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん。最晩年まで、好物のチョコレートを週に900gも食べ続けていたそうです。ただ、肥満体の超長寿は少ないので「腹八分目」は守ってください。

男は女がいないと早死にする。でも女は…

男と女の「長生きの条件」について、おもしろい話があります。男性は、奥さんでも娘さんでも恋人でもいいのですが、一女性がそばにいるのといないのとでは、長生きする率が全く違ってきます。

一生独身でひとり暮らしの男性は、結婚した男性に比べて、7、8歳寿命が短い。70歳ぐらいの男性で女っ気のない人や、奥さんに先立たれた人は、数年であの世からお迎えがくることが多い。そんな報告が数多く発表されています。

男性はだらしがないですから、女性がそばにいてうるさく言ってくれないとすぐダラけて、服装も食事もどうでもよくなる。なにもかも投げやりになって、生きる意欲もなくしてしまうんですね。

米でも日本でも、高級な老人ホームでは、食事の時、スーツのようなきちんとした服に着替えてダイニングルームに行くのがルールです。服を着る動物は人間だけで、みだしなみは社会的コミュニケーションの基本。身なりにかまわなくなると、人間がこわれていくことをホームの経営者はよく知っているんですね。

そして女性のほうは、生涯独身でも長生きする… いや旦那がいないはうが、むしろ長生きするんです。女性はしっかりしているからひとりでもちやんと暮らせるし、生きがいや、仕事と関係ない友だちもうまく作れる。

むしろ身近に男がいると、イライラするし家事も増えるし、大変なストレスになるんですね。命を削って一緒に暮らしてくれる女性のいる男性は、くれぐれもたいせつにしてください。そうそう、男性の長寿に最も大切なのは「お茶目なエッチ心」「現役気分」で、これは前述したグルジアの若い女性好きのおじいさんたちから、120歳を迎えて長寿の秘訣をたずねられ、「(女性のタイプは) やっぱり年上の女、かのぅ」と答えた泉垂千代さんまで、すべての男性に共通するキーワードのようです。

男は枯れたら終わり。生涯ムラムラし続けることです。余談ついでに、アメリカ・ハーバード大学の先生が、1 0 0 歳以上まで生きた女性の出産を調べたら、40代で出産をしている人が、きわだって多かったそうです。

以前は女性の長寿は、「女性ホルモンのエストロゲンのおかげ」とされていましたが、これも長期間の分泌、大量分泌は体にさわる、というのが現在の通説です。妊娠中はエストロゲンが抑制されるので、40代で妊娠すると生理が早めにあがったのと同じ状態になり、エストロゲンの「害」から守ってくれるようです。

23時以降は免疫力が低下する

時間のストレスも、免疫力にダメージを与えます。たとえば夜更かしの多い不規則な生活や、海外出張などで時差にふりまわされる生活。深夜から朝方まで勤務する「昼夜逆転」の勤務形態。

そういう時間のストレスが長く続くと、年齢を問わず、体をこわしてしまいます。

深夜のコンビニエンスストアや居酒屋で働く人には、若くてもがんが多いと聞きました。いわんや中年以降は、無理な徹夜などはしないことです。がんやウイルスをたたくNK細胞の働きは、朝起きてから徐々に高くなり、夜=時を過ぎると低くなります。深夜まで起きて仕事をしていると、NK活性はストンと落ちるわけです。あまりストイックな生活もよくありませんが、かといって昼夜逆転の生活も、健康を損なってしまいます。

休日に風邪をひいてしまうのは

忙しくて飛び回っている時は、寝不足でも元気なのに、連休にゆっくりしていると風邪をひいてしまいます。花粉症で鼻水をかみっばなしだったのに、社長に呼ばれたらピタッと止まった。これはだれでも経験があると思います。

都会の生活に疲れていなかでのんびり暮らし始めたとたん、うつ状態になったり、がんが見つかったり、という話もよく聞きます。逆に、過労や激しい運動のしすぎで体をこわす人も、たくさんいます。

体の不調には、自律神経が大きくかかわっています。自律神経は、「汗が出る」「鳥肌が立つ」「胸がドキドキする」など、意識と関係なく自律的に働いている神経。緊張した時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」のふたつがあり、ほぼ12時間交代で、日中は交感神経、夜間は副交感神経が優位になるのが理想です。

自律神経は、感情、体調、気温などによってどんどん変化します。肉体的、精神的に追いこまれると、自律神経の中の交感神経が優位になり、頭が冴えて集中力が高まります。自律神経は、血行も左右します。じっとしている時に交感神経が働くと、体の中心の血行がよくなります。

だから、緊張すると顔がほてったり、背中に汗が吹き出したりするんですね。体の中心の血行がよくなれば臓器が温まるので、脳や腸の働きも免疫力もアップします。過労は寿命を縮めますが、ほどよい忙しさは集中力を高め、病気を遠ざけます。

逆に副交感神経が働くと、手足の先などの、末端の血行がよくなります。だから、眠い時は手や足が温かくなるんですね。

ジョギングは体にNG

メタボ対策でジョギングをする人が増えていますが、体に負荷をかけすぎる激しい運動は、NK細胞の動きを低下させます。

紫外線も免疫力を落とします。体をきたえていない一般の人はなおさら、くれぐれも気をつけてください。激しい運動をする時、筋肉は多くの酸素を必要とし、筋肉の血液量も多くなります。人体内の血液の量は一定ですから、どこかの血液量が増えれば、どこかが減ります。

まっさきに使われるのが消化管の血液です。消化管には、身体の3割弱の血液が集まっていて「血液の予備タンク」になっているので、いざという時に動員されてしまうのです。運動中は、交感神経が優勢になり、心拍数も増加します。

身体が運動に適応するように、神経が心臓や筋肉をコントロールするわけです。この時、消化管は交感神経によって働きが抑えられます。まず腸のぜん動運動(便を先に送る動き) が弱くなり、消化したものを肛門に向かって押し運ぷ機能が抑制されます。ブドウ糖などの低分子のものや水分は問題なく吸収できるので、ドリンク類が重宝するわけです。そして運動が終了すると、動員されていた血液が消化管に戻ってきます。これを「再灌流」と呼びます。消化管にとつては節約モードでやりくりしていたところへ、いきなり100 % の血液がやってくるので、オーバーフローしやすい。

ハーフまたはフルマラソンに出場した24 人の便を調べた研究で、うち20 人に血便が認められたとの報告や、市民マラソンランナーの6.1% が、腹痛や食欲低下などの消化管症状を訴えたという報告があります。(特に、早朝に走ることはおすすめできません。ホルモンのサイクルが乱れがちな60歳以降の人には厳禁と申し上げたい。ジョギング中に突然死した中高年のほとんどは朝に倒れています。

冬の朝は、寒さで血管が収縮して血圧が上がるのでますます危険です。体内の機能やホルモンが寝ぼけているうちに走ると、運動が逆効果になることが多いのです。どうしても走るなら、夕方のほうがいい。健康管理もまじめにがんばりすぎず、ひと駅分多く歩くぐらいの、ほどよい負荷のはうが免疫力にはプラスに働きます。

長寿のための10の習慣

1.よく出歩く
陽気でクヨクヨしない人、ストレスを発散する場や仲間に恵まれている人は、NK細胞がしっかり働くので病気になりにくい。よく出歩く人は、前向きで人とよく会う、ということですから、年をとつても医者いらずで暮らせるでしょう。
2.ゲラゲラよく笑う
大笑いは、確実にNK活性を高められる、ありがたい習慣です。たとえ病床にあっても、腹をゆすって大笑いすることを、歯磨きと同じ日課にしましょう。
3.夜更かしはしない
若い人でも、深夜のアルバイトを続けると体をこわします。NK活性がダウンする夜1時から午前2時は熟睡タイムと心得て、早寝早起きを。
4.細かいことは気にしない
小さいことにくよくよ、かりかりしていたら、年中、苦虫をかみつぶす人生になって早死にします。うまく気持ちを切り替えましょう。
5.なんでも、ほどよく食べる
東京都の100歳以上のお年寄り調査では、肉も魚も卵も乳製品も野菜も、なんでもよく食べている人が圧倒的多数でした。腹八分目に、バランスよく食べましょう。
6.夫婦仲をよくするなど異性に関心をもつ
特に男性は、身近に「女っ気」があるかどうかで、寿命が全く違ってきます。いくつになっても異性にムラムラできる人は、果報者です。こちら
7.ちんたら運動する
ストレッチ、散歩などを、マイペースで続けましょう。階段の昇り降りは、ただ歩くより何倍もの健脚効果があるので活用しましょう。
8.趣味をもつ
趣味をもつと外出する機会が増え、人との新しいつながりができることも非常にいいですね。「無縁死」とは無縁な人生にしましょう。
9.本音を言える友をもつ
なんでも打ち明けられる友がいれば、苦労を乗り切れます。「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」(シラー) という言葉は真実です。
10.ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆などの発酵食品やキノコをよく食べる
腸の環境を整え、NK活性を高める発酵食品とキノコを、いろいろ取り混ぜて積極的に食べましょう。ヨーグルトがお腹を冷やすようなら、少し温めてどうぞ。

大笑いは体にいいことだらけ

まじめな早死にする

「まじめな人ほど早死にする」と、まじめに警鐘を鳴らし続けている医師や専門家は多いものです。まじめ過ぎると自分でなんでも抱えこみ、手が抜けません。小さなことにクヨクヨして、気持ちの切り替えができないので、ストレスがたまり、病気になります。

まじめすぎると、免疫力が落ちるんです。その代表例が「フィンランド症候群」です。1970年代、フィンランド政府は比較的裕福で生活環境の似た、40〜45歳の男性1200 人をふたつのグループに分けました。一方は健康管理をしっかり行い、もう一方はなにもしないようにして、どちらの病気が少なくなるかを15年間追跡しました。

健康管理グループは定期的に健康診断を受け、血圧の高い人は降圧剤、コレステロールの高い人はその降下剤などで治療し、塩分や砂糖、アルコールの摂取をひかえ、運動もきちんと行いました。一方、なにもしないグループは好きなものを食べ、飲酒や喫煙も自由でした。15年後、意外な結果が出ました。

なんと健康管理をしっかりと行ったまじめグループのはうが、自殺も含めて死亡率が高く、自殺や心腺病なども多かったんです。健康管理にあまりにも神経質になると、ストレスが多くなって逆効果。いいかげんにやっているほうが、免疫力が落ちなかったのだと考えられます。

いつも「がんばって」「こだわって」「気に病んで」いる人は、免疫力が低下しているおそれがあります。なにごとも思いつめず、こだわりすぎず、ほどほどに楽しんで、気楽に過ごすのがいいんです。

トイレはどこ!どこ!各駅停車症候群の恐怖

外出先でまたお腹が下るかも」と心配で、電車も各駅停車にしか乗れない。どんなところにいても、まっ先に確認するのはトイレのありか。いつでも駆けこめるところにトイレがないと、不安でしかたがない。お通じが3 日ないのは当たり前。だれにも言えない、「おなら連発」の悩みが… 。

身に覚えがあるあなたは、通称「各駅停車症候群(過敏性腸症候群)」かもしれま
せん。

過敏性腸症候群 | Condition
https://condition-info.com/archives/1146

  • 何週間も下痢や便秘が続いている。
  • 下痢と便秘が交互にくり返される。
  • 急にお腹が痛くなり、トイレに駆けこむことがよくある。
  • 排便すると腹痛がやわらぐ。
  • 排便後、残便感がある。
  • 腹痛やお腹が張る感じによく悩まされる。
  • 便秘がちで、ウサギのフンのようなコロコロした便が出る。
  • ところかまわずおならが出てしまう。

当てはまる項目が3つ以上あったら、かなり可能性が高いと思います。下痢や便秘がおこる病気はほかにもたくさんあるので、まずは消化器内科を受診してください。各駅停車症候群は日本人の2割が悩まされているとも言われ、花粉症と並ぶ国民病になりつつあります。

消化器内科の臨床医をしている友人は、「『各駅』の患者さんがついに、外来の半分を占めるようになった」となげていました。レントゲンや内視鏡で検査しても、腫瘍や潰瘍などのはっきりした異常は見つからないのに、大腸がしょっちゆうストライキをおこす、やっかいな不調です。

多くの人がお悩みなので、少し詳しく症状を説明します。タイプは大きく分けて「下痢型」「便秘型」「混合型」の3つがあります。

下痢型

お腹がゆるくて下痢しやすい状態が長く続きます。便に粘液が混ざることはあっても血便はなく、下痢によって体重が減ることもまれです。胃に食物が入ると大腸に急な「ぜん動(便を先に送る動き)」がおきやすいため、なにかを食べるたびにお腹がゴロゴロいい出す人もいます。

便秘型

腹痛があり、便意はあるのに出にくく、一般的に、ウサギのフンのようなコロコロした便が出ます。

排便後も残便感が残って、すっきりしません。これは、腸の運動が鈍っているところに、肛門に近いS状結腸(場所はおへそから左下に下がった付近、便秘の時かたく感じるところ) のけいれんという追い打ちがかかって、便がせき止められるせいだと考えられます。

混合型

下痢が数日続いたと思うと今度は便秘になり、出てもコロコロした便や、ひょろり
と細い便、といった症状がくり返されます。

ほかに、緊張するとおならが立て続けに出たり、いまにも出そうになって冷や汗が出るほどつらい人や、いつもお腹が張って「うっとうしい感じ」がする人もいます。

不安が招く「腸けいれん」の悪循環

各駅停車症候群がおこりやすいのは、日本人にとても多い、まじめできちんとした性格の人。人前ではおおらかにふるまっているけれど、実は細かいことが気になる人。

レッドゾーンは「月曜日の朝」「気が重い仕事や試験の前」「初めての場所」など、不安や「いやだなあ」という思いが増す時です。

寝ている時や、休みをひかえた週末、あるいは趣味や楽しいことに熱中している時は、症状がほとんどでません。大腸には脳と同じ神経が数多くちらばり、「脳腸相関」と呼ばれるネットワークで結ばれています。

大腸と脳はいつも情報をやりとりしていて、脳が不安、あせり、プレッシャーなどのストレスを感じると、自律神経を通じてすぐ腸に伝わって、便秘や腹痛や下痢を引きおこします。

逆に、下痢や便秘などの腸の不調は、自律神経を介して脳のストレスになります。つまり、ストレスの悪循環がおきやすい。ということは、各駅停車症候群は、ストレスによる「大腸の運動異常」だと考えられるのです。口から入った食べ物は胃、小腸、大腸を通過しながら消化・吸収され、便の形になっていきます。

それが直腸まで下りてくるとトイレに行きたくなり、肛門から排泄されます。食べた物がそういう「旅」をして体の外に出ていけるのは、腸が運動しているからです。朝ごはんを食べると、健康な大腸は運動を始めます。夜の間にスタンバイしていた便が直腸まで運ばれて、便意を感じます。そして排便を終えると、「今日はすんだから、また明日に」と無意識のうちにコントロールされ、1 日1 回のリズムができます。

この腸の運動は、「胸がドキドキする」時と同じ、自分ではどうしようもない自律神経にコントロールされるので、自律神経のバランスが乱れると、結果的にお通じも乱れることになります。

便秘が続くと、うつになる

ストレスはこの自律神経をかき乱します。気持ちの緊張が自律神経に伝わると、腸の運動をうながす「副交感神経」のテンションが異常に高まって大腸にけいれんがおき、下痢がおこります。また、もっと肛門に近い直腸でけいれんがおきると、逆に便秘になります。また、通勤電車の中でお腹が痛くなり、次の駅で途中下車してトイレに駆けこむなどの経験を一度すると、「またやるかも」という不安が新たな腸のけいれんを引きおこしてしまいます。

けいれんの悪循環に陥りやすくなります。そんなこんなでお腹の調子をいつも気にしていると、わずかな痛みにも敏感になり、強く感じるようになります。そのため医学的な名称は「過敏性腸症候群」になっています。各駅停車症候群は、ドミノ倒しのように心身にダメージを及ぼします。

まず、下痢や便秘で体力が落ち、腸内の細菌バランスがこわされて、はかの病気にもかかりやすくなります。強いストレスからうつ状態になったり、深刻な不安感が引きおこされるのも問題。すると記憶にかかわる海馬が萎縮し、神経ネットワークのつながりも悪くなります。そうなると記憶や学習にも影響が及び、忘れっぽくなったり、新しいことが覚えられなくなります。仕事や勉強、日常生活にも支障が出てきます。腸が過敏になると、頭の働きまで衰えるんです。

心の病をできるだけ早く改善したい場合は腸内環境 | 賢い乳酸菌生活
https://constipation-guide.net/lactobacillus/%e5%bf%83%e3%81%ae%e7%97%85%e3%82%92%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%81%a0%e3%81%91%e6%97%a9%e3%81%8f%e6%94%b9%e5%96%84%e3%81%97%e3%81%9f%e3%81%84%e5%a0%b4%e5%90%88%e3%81%af%e8%85%b8%e5%86%85%e7%92%b0/

薬によって、つらい症状を一時的にやわらげることはできますが、根本的に治せるわけではありません。また、便秘薬にいつも頼っていると、体に耐性がついて効きにくくなるので、強力な下剤を求めたり、基準量を超えて服用するようになります。そのうち「薬の刺激がないと腸が働かない」という事態にも陥りかねません。

腸のストレスをなくす7項目

やはりなんとしても、腸のストレスをはねのける必要があります。7つの改善策があるのですぐに実践しましょう。

その1 だれかに打ち明けて、ストレスを軽くする

ストレスの原因になっている悩みや心配ごとを、少しでも軽くすることが先決です。ひとりで堂々めぐりするより、だれかに打ち明けるとそれだけで気持ちが軽くなり、思わぬヒントも得られます。

ストレートに言いにくければ「知り合いにこういう悩みがあって」と、自分の悩みを人のことにおきかえて相談するといいでしょう。とりわけ女性は「おしゃべり」そのものが、とてもよいストレス解消になると報告されています。場合により、カウンセラーの助けを借りるのもひとつの方法です。

その2 人は走りながら悩むことはできない

いつ暴れ出すのかと、ついお腹のことばかり考えてしまう。無理もありませんが、ますます神経がピリピリして悪循環になるので、気をそらすことを考えましょう。

「人は走りながら悩むことはできない」と言われます。体を動かすと、自然に気がまぎれます。大げさな運動じゃなくていいんです。一駅分歩いたり、なるべく階段を上り下りするようにしたり、家ではストレッチしたり、モップでなく雑巾がけをしたり、全身をまめに動かします。頭皮をマッサージしたり、手のグーパーや、足指じゃんけんなど、体の先のほうを動かすと全身の血流がよくなって、自律神経が整います。

足裏の中央の、指を曲げるとへこむところには、有名なツボ「湧泉」があります。名前の通り「生命力が湧いてくる」とされる万能ツボ。自分で押す時は股関節を開くので、腸ストレッチにもなります。悩んだら、手足を動かしてみてください。

その3 ホットヨーグルトなどで、温熱腸活

冷え性で平熱が36℃ 未満という人は、内臓の温度も低くなり、免疫細胞の働きが鈍ります。つまり免疫力が低くなります。なるべく温かい物を食べたり飲んだりして、お腹を冷やさないようにします。

ヨーグルトも電子レンジで体温ぐらいに温めて摂ると、生菌も活性化して一石二鳥。おへその下にホットシャワーを当てたり、冬は携帯カイロを貼るのも手です。お腹が冷えやすい人は、夜「腹巻き」をしたり、湯たんぽを抱いて寝てみてください。

その4 腸を動かす腹筋ストレッチ

100歳の長寿を全うされた東大名誉教授が、白寿(九十九歳) を祝う記念冊子に、1日に100回、腸を「の」の字に動かす(少しでも動けばO K) 健康法を紹介されていました。

外からもむのでなく、自力で動かすそうです。これはどこでもできて、腹筋もきたえられるよい腸マッサージですね。大きく動かしたり、小さく動かしたり、グルグル回すようにしたり、最初は数回ずつから始めてみましょう。下痢も便秘も、腹筋が強くなるだけでかなり改善しますよ。

その5 1日1回は爆笑

大笑いは、何度でも申し上げたい腸免疫アップ法。身体が活性化され、免疫力がアップして、痛みやつらさが軽くなります。医学的に言うとこうなります。

  1. 笑うと脳に「快」の刺激が伝わり、大腸の神経細胞へ伝わる
  2. 免疫機能活性ホルモンが分泌され、免疫系の主役、白血球が活気づく
  3. モルヒネの数倍の鎮痛・快感作用のある、β -エンドルフィンも大量分泌

大笑いは免疫薬、鎮痛剤なんです。思いきり笑うほど、脳の活性効果も腸のストレッチ効果も高まるので、最低1日1回は「爆笑」しましょう。

お笑い番組、コメディー映画、落語、マンガなど、好きなジャンルの爆笑アイテムを取りそろえておき、頭をからっぼにして、できるだけ大げさに笑うこと。カラ笑いでも、本当に笑ったのと同じ効果があります。

その6 早起きして、日光を浴びる

決まった時間に「早起き」することをおすすめします。何日か続けて早起きすると、夜も自然に早く寝られるようになって、睡眠時間が安定します。

うつ病やパニック障害などの心の病にかかると、睡眠が安定しなくなり、昼夜が逆転しやすくなります。生物も、植物も、基本的に何億年も「朝日とともに起き、日没とともに眠る」生活を続けてきました。体内時計は、暗くなると眠くなり、明るくなれば「起きなさい⊥ と指令を出します。免疫系の中心、N K細胞の働きも、朝起きてから徐々に高くなり、夜1時を過ぎるとぐんと低くなるので、夜更かししていると病気にとりつかれやすい。自律神経も、昼間は活動に適した交感神経が優位に、夜間はリラックス系の副交感神経が優位になります。

「早寝早起き」は、あらゆる意味で生体のリズムに合っていて、睡眠の質もよくなり、熟睡できることがわかっています。

その7 ほどほど主義に転換する

「まじめ」や「完璧主義」はほどほどにして、沖縄の人の「なんくるないさ(なんとかなるさ)」の精神を見習いましょう。ゆったりかまえ、やれることをやったら、運を天に任せて、小さいことにクヨクヨしない。自分のことも追いつめず、リラックスをたいせつにします。

腸で95%作られる「セロトニン」と心

腸で95%作られる「セロトニン」と心朝起きたら、必ず日光をあびてください。すると不安感も興奮も抑えて心に安らぎをもたらすホルモンである「セロトニン」が分泌されます。

「笑い」「散歩やストレッチ」「深呼吸」でも、セロトニンが増えます。このホルモンが不足すると、感情にブレーキがかかりにくくなり、うつ病や、パニック障害、引きこもりなどの症状がおこりやすいと言われます。そう言えば心を病んだ人は、笑わないし、出歩かないし、呼吸は浅く、昼夜逆転の人がとても多い。セロトニンの出る暮がないんですね。

だから、うつ病の治療には、セロトニンがシナプス(神経細胞間のつなぎ目) にとどまるような薬が用いられています。

セロトニンは、脳内で1 % 、腸で95 % 、残りは腎臓や血小板などで産生されています。ただし、腸のセロトニンは脳内に移動することはできません。腸のセロトニンは腸の中で独自に活動しています。セロトニンの材料は、必須アミノ酸のトリプトファン。これは赤身肉、大豆製品、ごま、かつお、チーズ、牛乳、バナナなどに多く含まれます。

落ちこんだら、焼き肉を食べよう!

肉、とりわけ牛肉は「大腸がんの原因になる」「腸内環境を悪くする」「コレステロールを上げる」と、しょっちゅうたたかれていますね。でも、要はバランスです。80歳をすぎても元気いっぱいの社長さん、会長さんなどと会食をすると、だいたい肉好きの食いしん坊で、なんでもよく食べます。

あの徳川家康公だって、庶民に肉食を禁じておいて、自分は「薬食い」と称して近江午の味噌漬けをしょっちゆう食べて、16人も子を成し、75歳まで生きています。

当時の日本人の平均寿命は37歳、徳川14代の将軍の平均寿命も49歳。徳川公の75歳は、驚異的な長寿です。牛肉は肉類の中で最も栄養価が高く、脂肪酸から作られる物質、アナンダマイドには至福感、爽快感をもたらしたり、痛みをやわらげる効果があります。

ビタミンB2や鉄分も多く含まれ体を温める作用が強いので、世界各地で、病気の回復期には牛肉スープや牛肉がゆが滋養食にされてきました。明治時代に流行した牛鍋屋でも、体力をつける薬膳料理として利用されていたようです。

焼き肉やステーキを食べると気分がハイになり、頭が冴えておしゃべりになり、性欲が増してムラムラするのはなぜでしょう。牛肉にはアナンダマイドに加え、脳や身体を活性化する物質「アラキドン酸」という物質が、たっぷり含まれているからです。

私たちの脳細胞は、脂肪の膜で取り囲まれているのですが、なんとその成分の14 % がアラキドン酸なんです。男性20人にアラキドン酸を1カ月以上摂取してもらい、脳の情報処理の速さを計ったら、摂取前より脳の年齢がおよそ7・6蔵書返った、という実験結果も報告されています。

野菜もバランスよく摂るなら、牛肉は脳も体も若返らせる妙薬。牛ひき肉にとりわけ豊富なので、悪名高いハンバーガーも、アンチエイジング食品という意味では赤マルです。

腸は悲しみに弱い

深い悲しみを感じている時、胃腸の働きは一気に弱まることが多いようです。最愛の妻に先立たれた夫や、子どもに先立たれた母親は、何日も食事がのどを通らなくなったりしますね。

ストレスが加わると、NK 細胞の活性がガクンと低下することが確かめられています。たとえば、ラットの動物実験で、「子育て」をしている母親から子どもを取りあげると、母親のNK柵胞の働きは見事に下がります。また、病気のラットがそばにいると、それを見たラットのNK細胞の働きが下がると報告されています。ど,前述した「はらわた(腸) がちぎれる」という言葉も、子猿を取られた親猿の慟哭からきていました。悲しみに沈んだあとは、いったん封印して、なんとしても気持ちを切り替えてください。あなた自身の命を守るために。

あなたのストレス度を診断

免疫力は精神的ストレスにとても弱いので、たとえば受験生はテスト前になると風邪をひきやすくなります。ストレス度を診断しましょう。次のうちいくつ当てはまりますか?

  • 健康のため、好きな酒もタバコもやめた。
  • 細かいことにも手を抜かず、気配りをおこたらない。
  • サプリメントで体調管理はバッチリ。
  • 肉や魚はなるべくひかえている。
  • 心配ごとがあると、下痢や便秘になりやすい。
  • 悩みごとは自分で解決しようと努力する。

チェックが多い人ほど、ストレスがたまりやすい性格です。ひとりでいろいろと抱えこまず、落ちこまず、自分を少し甘やかして、うまく息抜きしてください。

腸を元気にする心のもち方

腸を元気にする心のもち方。それは、頭でっかちになりすぎないで、「快=気持ちいい」「不快=気持ちよくない」という原始的な感覚に、もっと敏感になることだと思います。

イヌやネコを飼っている人は、身近によいお手本がいます。彼らはだれに教わることもなく本能的に、「自分がどうすれば快適に生きられるか」を心得て、実行しています。

食べ物のにおいをよくかぎ、不快な物は食べません。気のおもむくままに体を動かし、イヌは喜怒哀楽を素直に表に出します。ネコは徹底してマイペース。イヌもネコも、しばらくじっとしたあとは思いきり「伸び」「あくび」をして、筋肉や骨の緊張をほぐしています。

現代人は「感じる」ことを二の次にして、理屈でものを考え、行動しがちです。とりわけ世界でも指折りのまじめ国民、日本人はいつも「〜ねばならない」が頭にいっぱいです。また、けっこう他力本願で、健康管理さえも「専門家に聞かないと、自分の状態がどうなのかわからない」ということになってしまいがち。人に合わせて、やりたくもないことをやることも多いですね。

たとえばカラオケが好きな人が歌って盛り上がるとNK活性が上がりますが、好きでもないのに歌うと下がってしまう… 腸の働きが落ちてしまうことがわかっています。今日から、もつとマイペースに、気のおもむくままに生きてみましょう。

ヨーグルトで腸を回復させて痩せる 痩せにくい腸内環境を痩せやすくする

痩せにくいのは腸内細菌が原因

どんなダイエットをしても、結局リバウンドして以前よりお腹がポッコリ。水を飲んでも太る。大食いで運動もしないのにやせている人がうらめしい… 。「やせられない」と、お嘆きの人に朗報です。

「肥満の原因は食べすぎと運動不足と言われているが、それ以外の要因があるかもしれない。同じものを食べても、太りやすい人もそうでない人もいる。腸内細菌のコントロールで、肥満を防止できる可能性がある」世界中を山驚かせる画期的な報告をしたのは、アメリカ・ワシントン大学医学部、ジエフリー・ゴードン博士らです。

肥満に腸内細菌がかかわっていることを、次のように証明しました。ゴードン博士らがつきとめた画期的な事実は第一に、「肥満型」と「やせ型」をそれぞれ特徴づける、腸内細菌のバランスがあるということ。まず、500種類以上もあるマウスの腸内細菌を大きく「バクテロイデーテス類」「ファーミキューテス類」の2グループに分類しました。調べてみると、「肥満のマウスにはファーミキユーテス類が多く、バクテロイデーテス類が少ない」傾向があることが判明。

ヒトではどうかと、マウスだけでなく肥満の人にも1年間、脂肪と炭水化物がひかえめの食事をしてもらい、腸内細菌を観察しました。すると実験が進むにつれて、「やせ型」の特徴であるバクテロイデーテス類が増えたんです。

世界中で腸ダイエットの幕開け

また肥満マウスの便に残ったカロリーは、やせたマウスより少なかったので「肥満マウスには、消化されにくい多糖類まで分解する腸内細菌がいて、より多くのカロリーを摂取してしまう」こともわかりました。

肥満マウスの腸内細菌を別のマウスに摂らせると、総脂肪量が増加。肥満のマウスの腸内細菌を、無菌マウスに摂取させたら、体脂肪が一気に47% も増えたそうです。やせたマウスの腸内細菌を与えたら、体脂肪は27% 増にとどまりました。「太らせる腸内細菌」の存在を、はっきり証明できる大差がついていたのです。

この報告をきっかけに、腸内紳菌と肥満についての研究が世界中で行われるようになり、「腸内細菌とそれを制御する免疫系が、メタポリックシンドロームや糖尿病、心臓山柄のリスク上昇にかかわっている」ことを示す実験結果などが、あいついで報告されています。

メタボを防ぐ腸内細菌バランスが解明されて、そのバランスに近づく善玉菌入りの機能性ヨーグルトが開発されたら、腸内細菌ダイエット時代の幕開けです。意外に早くやってくるかもしれません。

免疫力がアップする食べ方

ここ数年でわかってきたことも含め、腸内細菌の働きをおさらいしましょう。

  1. 消化を助ける 小腸で消化・吸収しきれなかった食べ物や、人が消化できない多糖類などを分解。腸内細菌は、人の食べた物をエサにして増殖します。その時、アミノ酸やビタミン、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸) などを作り出します。
  2. 免疫系を刺激する 人体に入りこんだ異物を、「抗体」(たんばく質)を使って攻撃し、取り除きます。抗原の情報をもとに、1種類の抗原に対して1種類の抗体が作られます。腸内細菌は体の免疫系を刺激し、抗体のもととなる物質を作らせる働きがあります。抗体をもたない無菌マウスでは、普通のマウスに比べて抗体を作るたんばく質(免疫グロブリン) の量が少なくなります。
  3. 病原菌の感染を防ぐ 常在菌が作る酸によって腸内は弱酸性に保たれているので、病原菌が生息しにくい環境になります。
  4. 肥満を左右する 肥満やメタボリック症候群のマウスから腸内紳菌群を取り出し、無菌のマウスに移植すると、生活環境や食生活は変化しなくても肥満したり、メタボになったりすることがあります。

健康やダイエット効果が期待できる腸内細菌のバランスは、食事でかなりコントロールできます。いよいよここからは、免疫力を高める食べ物、食べ方を探ってみましょう。
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老化をストップするヨーグルトパワー

私たち人類は、いつごろから腸内細菌に注目してきたのでしょう。

まず19 世紀の中ごろに、フランスのルイ・パストゥールが「アルコール発酵や乳酸発酵などの発酵現象が、細菌の働きによるもの」だということを科学実験で証明しました。これが細菌学のあけぼのでした。

パストゥールはその時、ものを腐敗ではなく発酵させる有効菌だけを取り出す努力をしたのですが、残念ながらそれはかないませんでした。パストゥールが夢見た有効菌の採取に成功したのは、ドイツの医師、ローベルト・コッホ。ゼラチンを培養地にすることで、多くの微生物の中から特定の細菌を純粋培養する技術を確立し、その技術が細菌学の基礎になりました。

この純粋培養技術を、その後、いろいろな学者や医師たちが応用し、結核菌をはじめ、コレラ、赤痢、チフスなどの病原菌の存在を突きとめ、治療法を生み出しました。

腸内乳酸菌の存在と働きも、だんだんわかってきました。人間の寿命に乳酸菌が大きくかかわっていると考えたのが、パストゥール研究所のイリヤ・メチニコフ。

ヨーグルトをよく食べるヨーロッパのコーカサス地方に長寿の人が多いことから「老化は、腸内の有害な菌が引きおこす。ヨーグルトはその害を抑制するので長寿に有効」という仮説を発表しました。

大正元年の19 12年、ヨーグルトと、コーカサス地方の人との長寿の関係を知った首相・大隈重信は、「国力の源は臣民の健康にある」と、メチニコフの大著『不老長寿論』を翻訳出版しています。

ヨーグルトが健康にいいことは、100年前から世界の常識だったんですね。日本では「体に有用な腸内細菌を探し出して健康に役立てる」研究が盛んで、1910年代には、乳酸菌を使った整腸剤「ビオフェルミン」、1919年には日本初の乳酸菌殺菌飲料「カルピス」、1935年には生きて腸に届く乳酸菌飲料「ヤクルト」が商品化されました。

体がよみがえるヨーグルトはこう選ぷ

腸内環境を整える力が科学的に立証されている食べ物は、ヨーグルト。牛乳を主に乳酸菌で発酵させた、人類が7000年前から食べていたと言われる発酵食品です。

最近のヨーグルトのパッケージには、英語や数字や「〜菌」「〜株」などの言葉が大きく躍って、にぎやかですね。どれを選んだらいいのかわからない人も多いと思います。

乳酸菌は乳糖やブドウ糖をエサにして増え、乳酸、酢酸、ビタミンなどを作り出します。腸の中ではそれぞれの分泌液を出し合って、悪玉菌の悪さを押さえこみます。生きた乳酸菌が腸内の細菌に働きかける効果だけではなく、死んで腸に届いても、それ自体が体に作用して血圧やコレステロール値、免疫能力を正常に保つ直接的な効果「バイオジェニックス」が認められています。

特定の健康機能をうたうヨーグルトが、ここ数年で多数登場しています。たとえばアレルギー症状を緩和する「LGG菌」「KW乳酸菌」を使ったもの。ピロリ菌を減らす「L G21菌」「L C1菌」を使ったものなど。ヨーグルトは自分の体との相性で選ぶ時代なのです。

とは言え、店頭に数多く並ぶヨーグルトの中から、どれを選び、どう食べると大きな効果が期待できるのでしょう。ポイントはふたつあります。ひとつ目は「期待する効能で選ぷ」こと。そして、もうひとつは、「毎日200を1週間食べ続ける」こと。詳しく解説しましょう。

ヨーグルトを毎日食べる(200gがベスト) | 腸をきれいにして便秘解消

期待する効能で選ぶ

含まれる細菌、成分によってその効能が異なります。店頭でよく見かけるヨーグルトと主な健康効果を次に紹介しますので、まずはこちらを参考にしてください。

「明治ヨーグルトR-1」(明治)…R-1乳酸菌
ウィルスのガードカが証明された「1073R-1乳酸菌」配合。風邪やインフルエンザにかかりにくくなる。
「明治プロピオヨーグルトLG21」(明治)…LG21乳酸菌
LG21乳酸菌には胃腸の調子を整える効果が高い。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因のひとつとされるピロリ菌を減少させたり、感染を防ぐ食品として特許も取得。胃の粘膜の荒れを整える効果も高い。
「ビヒタスヨーグルトBB536」(森永乳業)…ビフィズス菌BB536
ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536)を含み、腸内の強力な善玉菌、ビフィズス菌を増やしてお腹を整える。
「LGGヨーグルト」(タカナシ乳業)…LGG乳酸菌
LGGは、悪玉のウェルシュ菌やアンモニアの量を抑え、アトピーを予防する。腸内の老廃物のクリーニング効果も高く、美肌効果もある。
「ナチュレ恵」(雪印メグミルク)ガセリ菌SP株、ビフィズス菌SP株
ガセリ菌SP株は小腸で、ビフィズス菌SP株は大腸で働き、威服肪、皮下脂肪を減らす効果もある。
「ダノンビオ」(ダノンジャパン)… ビフィズス菌BE80
ビフィズス菌BE80は、腸に届く際の生存率がとても高く、食物が腸内をスムーズに通過するのを助ける。
「ソフール」(ヤクルト)… ヤクルト菌(L・カゼイ・シロタ株)
規定の10倍以上の乳酸菌を含み、特にヤクルト菌の働きで、腸内の悪玉菌を制御して免疫力を高める。

毎日200gを1週間続けて「相性」をみる

「コレが効きそうー」というヨーグルトを選んだら、まずは、毎日200 g摂ることを1週間続けてください。前述した通り、乳酸菌は生きたまま腸内にとどまってはくれません。そのため、「毎日」摂り続けることが重要です。1帖週山間続けてみて、「お通じがよくなった」「吹き出物が減った」「体が軽くなった」「目覚めがよくなった」など、なんらかの効果を実感できたら、それがあなたにとって相性のいいヨーグルトです。そのまま食べるのはもちろん、果物にかけるなどちょっと工夫すれば、あきずに続けられます。「同じヨーグルトばかりだとちょっと… 」という人は、別のヨーグルトに変えて気分転換してみましょう

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リンゴは便秘に効果大

一気にやせようと、食事の量を減らしたら、ひどい便秘に。とりわけ女性はよく経験されているのではないでしょうか。便秘は腸内環境を一気に悪化させるので、なんとかして回避しましょう。

便をスムーズに排泄するためには、内容物のそれなりのボリュームが必要です。食べたり飲んだりする量を極端に減らすと、便の量も減り、腸は便をうまく送れなくなってしまいます。腸に滞留する時間が長くなると便から水分が失われ、ますます便を送り出しにくくなるという悪循環に陥り、便はカチカチになっていきます。

また、栄養不足で体力や筋力が低下することも、便秘をひどくする要因です。しっかり食べると便の量が増えて大腸が刺激され、腸内に残っている便を押し出そうとする動きが始まります。

ただし、消化のよいものやたんばく質の多い食事ばかりでは、便のもとになるカスができないので、どうしても便の量が減ってしまいます。便の圭を増やすには、納豆、ゴボウ、イモ、リンゴなど水溶性食物繊維の多い食品を摂り、冷水は腸を冷やすので、少し温めた水をよく飲みましょう。

裏ワザとしては、ヤクルトなどの乳酸菌飲料を2〜3本まとめて飲むと、便が心地よくゆるくなります。もちろんヨーグルトも効果ありです。

日本人の、とりわけ若い層に腸の不調を訴える人が増えている原因は、食生活の欧米化にあるのではないかという研究データがあります。昔は、欧米諸国の人々に比べて、見るからに「胴長短足」だった日本人。しかし、平均寿命の伸びとともに、ここ10年ほどで平均身長もぐんぐん高くなり、足が長くなり、そのプロポーションは、昔の日本人とは全く変わってきています。

食生活が、食物繊維が豊富で低脂肪、植物性の和食スタイルから、肉や脂の多い高カロリー食に変化してきている影響が、とても大きいことは確かです。

R-1乳酸菌で風邪、インフルエンザを防ぐ

ヨーグルトには腸の働きを整える以外にも、さまざまな効用があります。明治食機能科学研究所の池上秀二研究員によると、R-1乳酸菌を含むヨーグルトをマウスに与えたところ、NK細胞の活性が高くなりました。

ヒトを対象とした試験も行われています。山形県舟形町と佐賀県有田町で59〜85歳の住民計14 2人に、同種のヨーグルトを1日90 g、8 ~12週間食べてもらい、食べない人と比べました。

その結果、ヨーグルトを食べた人は食べる前より風邪をひくリスクが低下したことがわかりました。

舟形町の、同じヨーグルトを摂り続けた幼稚園、小・中学校では、インフルエンザ感染の報告がありません。さらに、インフルエンザウィルスに感染させたマウスに同種のヨーグルトを食べさせた実験では、ウィルスが減るなど感染リスクを低下させる作用も認められました。

池上さんはこのメカニズムについて「乳酸菌とその菌が作り出す多糖類がリンパ球の一種のT細胞に働き、T 細胞が作る生理活性物質(インターフェロンガンマ) を介しで、NK細胞が活性化するのではないか」と推測しています。

乳酸菌がアトピー発症を抑える

フィンランドは、ヨーロッパの中でも、乳製品の歴史が古く、消費量も世界一。プロパイオテイクス 研究の、最先端を走る国でもあり、機能性食品の開発に力を入れています。

数々の研究の中で、小児科の医師たちによって発表されたある乳酸菌の働きが、世界の医学界で話題を集めています。ツルク大学の小児科医・イソラウリ一教授らは、アトピー性皮膚炎に苦しむ子どもたちをなんとか救いたいと、長年、検証を重ねていました。

家族にアレルギー症状のある妊婦159人の協力を得て、出産前から3年がかりで検証し、イギリスの医学雑誌「ランセット」に発表しました。これは免疫と腸内細菌の関連、乳酸菌がアレルギー症状を予防する効果を、世界で初めてはっきりと示すものでした。

実験では出産前、出産後、そして赤ちやんにも生後半年間、乳酸菌LGG ( ヒト腸内から分離された乳酸菌) を飲んでもらいました。残り半分はプラセボ(偽薬)を服用してもらいました。母親の母乳にはアレルギー症状を軽減する抗炎症物質が増加し、赤ちやんたちが2歳になった時、乳酸菌を投与したグループは、アトピー発症率が半分以下に抑えられていました。

また、すでにアトピーを発症した幼児に、通常の治療に加えて乳酸菌を摂らせると、症状の改善スピードが早まることもわかりました。日本では、タカナシ乳業が「おなかへGG !」(トクホ=特定保健用食品) シリーズを商品化しています。

ある種の乳酸菌は、免疫細胞を直接活性化し、アレルギーを制御する抗体を増やすことが、数々の研究でわかっできでいます。

ヨーグルトでコレステロール10%減少

1979年、アメリカ政府は「アメリカ国民の心臓病、動脈硬化などの急増はもはや、危機的状況である」(マクガバン・レポート) と報告し、国民の食生活改善に積極的に取り組み始めました。一筋の光は「ヨーグルトを毎日摂ると、病的に高い血中コレステロール値が1週間で10 %下がる」という、乳酸菌のコレステロール低下作用の発見でした。

食べ物から摂ったコレステロールは、腸で吸収されて、血管内へ送られます。しかし乳酸菌は、それより早くコレステロールを吸着して、腸で吸収される前に体外へ排出。その結果、血液中に余分なコレステロールが流れ出るのを防ぐ働きがあることがわかったのです。

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日本では雪印メグミルクのヨーグルト「ナチユレ恵」(トクホ)が、生きて腸に届く乳酸菌ガセリ菌を強化配合して、1 日200 g 、1ヶ月の摂取でコレステロール値が減少することを実証しています。

ヤクルトで難病が治った

ヤクルトの「L・カゼイ・シロタ株」(通称ヤクルト菌) の免疫作用は、海外でもさまざまな形で報告されています。シロタ株の使われたヤクルトがいま、世界中で1 日2400万本市販され、国境を越えて手に入りやすくなっているせいもあります。

原因不明の難病に苦しむ息子に母親がヤクルトを与えたら、2日で完治。そんなェユースが載ったのは、イギリスの新聞「デイリー・メール」。

アンナ・アンダーソンさんの息子、ライリー君は、生後12 時間で「お腹が風船のようにふくれる」原因不明の病気にかかり、新生児集中治療室で治療を受けたあと、小児専門病院へ。

しかし、原因は突きとめられませんでした。その後自宅療養に入ったものの、ライリー君のふくれあがったお腹の状態は全く変わらず。母・アンナさんはさまざまな医師に相談したり、ミルクを変えるなど、八方手を尽くしましたが、数カ月間たっても好転のきざしはありませんでした。

そこでアンナさんは、あらゆる文献にあたって独自に研究を開始。「医師から処方された抗生物質が腸の中の善玉菌を殺しているのではないか。シロタ株で善玉菌を補えるのではないか」と、同国で市販されているヤクルトを飲ませてみたところ、ライリー君のお腹が、わずか2 日で平常に戻りました。

後日、ライリー君が耳の病気にかかり、医師から抗生物質を投与されると再びお腹がふくらみ始めたので、再度ヤクルトを与えたら治った、という後日談付きで報道され、大きな反響を呼びました。

同じイギリスの、ラフバラ大学のグリーソン教授は、免疫力が落ちて感染リスクが高まりやすい、持久系のスポーツ選手別人を対象に、ヤクルトの飲用試験を実施しました。その結果、ハードな運動を継続的に行うスポーツ選手は、ヤクルトを続けて飲むことで、上気道感染症(いわゆる風邪)の発症率が減る、という効果を確認。

最近の研究で、「シロタ株だけがもつ細胞壁構造が、NK活性を高める物質の産出に働く」「『ヤクルト400』を飲むことで、潰瘍性大腸炎の症状が改善される」などの新しい可能性も報告されています。

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密林でも下痢しない、納豆の「腸活」パワー

N K細胞の活性を上げたり、腸内細菌のバランスを整えたりするのは、ヨーグルトやヤクルトだけではありません。

納豆やキノコ類にもその効果が期待できます。ある細菌学者は、アフリカの密林などにフィールドワークに出かける時には納豆をどつさり持参し、毎日欠かさず1パックずつ食べるそうです。

ほかのスタッフが現地の生水や食べ物にあたって下痢に苦しむ中、いままでお腹をこわしたことがないそうですから、大変な威力です。日本古来の大豆発酵食品、納豆は、世界に誇れる「腸活」食品。食べ物を微生物の力によって発酵させて食べることは、腸内細菌だけでは追いつかない消化力を高め、ビタミンなどの抗酸化物質を増やし、たんばく質をペプチドまで細かく分解することによって、過剰なアレルギー反応を抑えることにもつながります。

納豆菌は「枯草菌」の一種で、土の中や空気中などいたるところに存在し、枯れ草の表面から分離されることも多い菌です。熱にも酸にも強く、おそるべき増殖力をもちます。

たとえば枯れたワラを水に浸けて煮沸すると、ほとんどの微生物は熱で死滅しますが、枯草菌は、「芽胞(種の一種)」になって生き残ります。その後、条件が整うと発芽して、そこで納豆菌が優勢になって繁殖します。体内ではダイナミックに姿を変え、自らは「窒息死」して腸を守ってくれます。

たとえば納豆菌K-2株は、お腹に入ると芽胞になり、胃液で消化されないで、生きて腸まで届きます。そこでいったん「発芽」しますが、腸内には酸素がないため、納豆菌としては死ぬことになります。しかし、流れ出た菌体物質がビフィズス菌などのエサになり、結果として、腸内の専玉菌を増やすのに大きく貢献するんです。

酒蔵をつぶし、水を浄化する、納豆菌の超能力

酒造りの世界では、納豆は目の敵です。清酒は、米麹に清酒酵母を繁殖させて、アルコール発酵させて作ります。

麹に納豆菌がつくと、みるみる繁殖して米麹を覆い尽くし、麹はベトベトになって全滅します。納豆菌はそのままどんどん繁殖し続けて、酒蔵そのものをつぶさざるをえなくなることもあるそうです。

そのため、酒蔵で仕事をする人は、仕込みをする冬の間、納豆を食べるのは厳禁です。納豆菌には有機物やアンモニアを分解する働きもあり、最近は水質浄化にも活用されています。とてつもない超能力を秘めた細菌です。

最近は、納豆菌と生きた乳酸菌を共存させた製品も出てきて、便痛の改善効果などが科学的に実証されて、整腸分野でトクホを取得しているものも増えています。

納豆菌は人間だけでなく、ペットのエサにも活用されています。「納豆菌がカメの腸内で善玉菌を活性させ、腸内細菌のバランスを整えてくれる、プロバイオテイクス効果!

整腸作用により、消化吸収を助け、排泄物の分解力も向上し、継続的に与えますと飼育水の嫌なにおいを軽減します。カルシウム豊富なオキアミミール、健康に育つ各種ビタミンを配合している栄養満点のごはんですので、これだけで健康飼育できます」。カメはますます長生きしそうです。

バナナで快調

「オリゴ糖が腸にいい」という詰も、最近よく耳にします。これはブドウ糖や果糖が結合した糖で、食品に含まれる天然オリゴ糖と、機能性をもたせた合成オリゴ糖があります。

カロリーは砂糖の半分以下で、体内の消化酵素で消化されずに排出されるため、血糖値を上げる心配がない。虫歯の原因にならない、食品だから副作用の心配がない、など長所がいろいろあり、ダイエット向けの糖としても人気を呼んでいます。

オリゴ糖の働きは納豆菌と同じ。腸内にすむビフィズス菌、乳酸菌など、善玉菌のエサになります。悪玉菌のエサにはならないので、善玉菌を優勢にする助けをします。「オリゴ糖を一度にたくさん食べるとお腹がゆるくなる」と言われるのは、腸の中の善玉菌が一時的に爆発的に増え、便を巻きこんで外へ出るため。腸にとつては、乳酸菌飲料やヨーグルトをたっぷり摂ったのと同じ、「心地よい」刺激になります。

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主なオリゴ糖は、次の通りです。それぞれに腸内環境を整える効果が科学的に実証され、そのほかの健康効果も含め、トクホ(特定保健用食品) の有効成分として多数認められています。

乳果オリゴ糖(ラクトストロース)
天然のサトウキビに含まれるショ糖と、牛乳に含まれる乳糖から生まれました。砂糖に近い自然な甘みが特徴で、ビフィズス菌を増やす力が強いオリゴ糖です。
サトウキビエキスの使用感(黄斑変性・緑内障に効果)
大豆オリゴ糖
天然の大豆から分離、精製して作られています。砂糖に近い甘味があり、腸内のビフィズス菌を増やし、免疫力を向上させる効能があります。
フラクトオリゴ糖
玉ネギやゴボウなどの野菜に含まれ、くせがなく、まろやかな甘さが特徴です。ミラルの吸収をうながし、骨密度の低下を抑制する働きがあります。
イソアルトオリゴ糖
グルコースという単糖で構成され、熱や酸に強いのが特徴です。自然界では味噌やハチミツなどに含まれています。整腸作用はゆるやかです。
キシロオリゴ糖
タケノコなどにごく少量含まれているオリゴ糖で、特に虫歯の原因になりにくいオリゴ糖です。さわやかな甘味があります。
ガラクトオリゴ糖
母乳に多く含まれているオリゴ糖。甘味はあまりありません。たんばく質の消化吸収を助けます。

オリゴ糖の多い食品は、大豆、玉ネギ、バナナ、ゴボウ、ニンニクなど。納豆は、納豆菌とオリゴ糖をダブルで摂れる快腸食品、ということになります。

肌荒れを防ぐシイタケは万能薬

β-グルカンは、主にシイタケやマイタケなどのキノコ類や、パン酵母の細胞壁に含まれる成分です。世界の研究機関で「健康維持に役立つ機能性成分」として、多くの研究が行われています。肌には、菌やウィルスなどが体内に侵入してこないよう、外敵をブロックするための免疫機能が備わっています。ストレスや疲労などを強く感じたり、睡眠不足が続いたりすると、その免疫力が低下し、外敵が毛穴から侵入しやすくなります。乳ガンなどにも効果があります。

ハナビラタケ増強食 | ガン患者に評判の健康食品

そしてにきびや吹き出物ができてしまいます。肌をはじめ、体の免痩力を高める成分として注目を集めているのが「β-グルカン」、別名グリコプロテイン。たんばく質と多糖体がバランスよく結合してできる糖たんばく質です。

 

肌トラブルを防ぐだけでなく、血糖値を下げたり、利尿効果を高めたり、血圧をコントロールしたり、血中コレステロールと中性脂肪値を低下させる働きなどもあります。

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シイタケにはほかにもコレステロール値を下げる働きをもつ「エリタデニン」という特有の成分が含まれています。もうひとつ、体内でビタミンD に変わるエルゴステリンという成分が含まれ、日光に当たると増えます。