腸の免疫力を高めれば不快な症状も病気も治る

免疫力は40歳で半減、70歳で10分の1に減ってしまう

私たちの体を守ってくれる免疫力は、血気盛んな20歳がピーク。その後はだんだん低下して40歳になると半減し、70歳になると10分の1 ほどに落ちこんでしまいます。

免疫力の低下とともに、糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中などの「生活習慣病」を患う人が増えてきます。不規則な生活やストレスが続くと、これらの病気をかなりの確率で発症し、いまの医学では根本的な治療は困難とされています。生活習慣病の中で最もおそろしいのが、言うまでもなく死因のトップを続けるがんです。

がんになりたくない、というのは万人共通の願いですが、残念なことに、そういう「ぜいたく」は通りません。

どんな人の体の中にも、がんの卵と、一定数の「がん遺伝子細胞」があります。毎日数千個の新しいがん細胞ができています。がんにならないのは、免疫細胞、中でも主に白血球の中のリンパ球のNK (ナチュラルキラー)細胞が、がん細胞を殺してくれるからです。

「NK細胞は不良少年をたたいているおまわりさん」だと昔から私は言ってきました。おまわりさん細胞がちやんと働いてくれれば、がんの芽をつんでくれる。

ところが、おまわりさんが弱くなって不良少年が生き残り、数が増えて暴力団になってしまったら… 。それが、がん腫瘍。免疫力が低下すると、がんの抑制が効かなくなるんです。

人間からNK細胞を取ってしまうと、発がん率はグンと上がり、ウイルスに感染しやすくもなります。ですから、N K細胞を利用した治療で最も効果が期待されているのは、「発病を未然に防ぐ」ための予防医学的な使い方です。NK活性(NK細胞の働きの強さを示す免疫力の指標)を長期にわたって高め、維持する必要があるのです。

1個のがん細胞が増殖し始めると、だいたい10〜20年で、1 cmほどのがん組織に成長します。

がん組織は「免疫力の危機を放置しておいた結果」と言うことができるでしょう。この免疫力のカギを握っているのが腸内環境です。

一般的な20代女性の大腸は、きれいなピンク色をしています。腸内の血行がよく、悪玉菌の数が少なく、腸内環境が整っているからです。それが70代になると、色はうっすらと黒ずみ、灰色に変色してしまいます。腸内は悪玉菌だらけになり、NK細胞もすっかりへタっています。腸を黒ずませてはいけません。

美しい肌は腸年齢で決まる

アンチエイジング時代。「きれいなお肌ですね」「お若いですね」とほめられたい…という思いは男女を問わず、テレビのC M も、スキンケア製品が花盛り。美容液にシワ取りクリーム、ニキビ開化粧品、パック剤、マッサージローラー… 。男性向けも多彩です。

しかし、肌年齢を決めるのは、外からのお手入れよりも「腸年齢」なんです。東京と大阪の20〜0代の女性600人を対象にした、興味深い調査結果(第23回ヤクルト健康調査) があります。腸内細菌学に詳しい、坪野義己先生が開発したテストによって腸年齢を判定して、心身の健康状態や容姿、肌の状態と比べたもの。「腸年齢が若いほど肌の悩みが少なく、心も体も健康で見た目も若い」、という結果がほっきりと出ています。

トイレ
  • いきまないと出ない
  • 排便後も便が残っている気がする。
  • 便がかたくて出にくい。
生活習慣に関して
  • トイレの時間は決まっていない。
  • おならがくさいと言われる。
  • タバコをよく吸う。
食事に関して
  • 朝食は食べないことが多い。
  • 食事の時間は決めていない。
  • 野菜不足だと感じる。

腸年齢の判定は「実年齢より若い」「実年齢+10」「+20」「+30」の4段階。実際の質問は全部で24項目でしたが、右の9 つからでもY ESが5個以上あったらあなたの腸年齢は実年齢+10かそれ以上、1〜2個ならほぼ実年齢より若いと言えます。

腸が老けると、見た目も老ける

この調査で、腸年齢が実年齢より若かった人は全体の5% しかいません。肌の「乾燥」「シミ・ソバカス」「ハリ・ツヤ」「シワ」「毛穴の開き、黒ずみ」「くすみ」、.脂性」「化粧のノリ」「にきび・吹き出物」「アトピー」「そのほか」と、肌の悩みのすペての項目で、腸が暑いはどトラブルが少ない、という結果でした。

たとえば、にきび・吹き出物やアトピーに悩むのは、腸の若い人は6 % しかいないのに対し、「+20歳」の老いた腸の人は26 % と、大差がついています。

意外にも若いほど腸年齢が実年齢より「老けて」いることが多く、次のようなこと
もわかっています。

  1. 肥満の人、ストレスの非常に強い人は特に腸が老化している。
  2. ストレスが少ない人に、腸の若い人が多い。腸の若い人はどプロパイオテイクス(生きて腸に届く乳酸菌) の摂取頻度が高く、健康状態、体力、気分、容姿も苦く、肌の悩みは少ない。

悪玉菌が優勢の腸内では「腐敗」が進み、腐敗物質や有害物質が大量に生まれて腸壁から吸収され、血液を通して全身に運ばれて、肌荒れやかぶれ、くすみ、アレルギー性皮膚炎の原因になります。女性にいやがられる「オヤジ臭(加齢臭)」も、有害物質が肌から発散されたもの。

アンチエイジングにこだわるなら、外からあれこれ塗るより、まずは腸内環境を整えたほうが近道、ということですね。

腸の状態がいい人はボケない

見た目の若さの次に気になるのは、脳の若さ。「最近、人の名前が出てこなくて… 」「こんなミス、脳の裏えを自覚すると、ゆくゆくは認知症… ?若いころは絶対しなかった… 」。

とゾツとしますね。さきほどの調査では、「腸年齢が若いほど脳年齢も若く、腸年齢が老化しているほど脳も退化している」という結果も、くっきり出ています。「固有名詞、漢字が出てこない」「何をするために行ったか忘れる」「会話にアレ、ソレが多い」 と、これらのすべての項目は、腸年齢の若い人には見られません。

「単純な計算ができない」は、腸年齢の若い人ではわずか9 % 。「+20歳」の老いた腸の人は24% 台と、大差がついています。ほかにも、仕事の能力を左右する「物事を決められない」「同じことを長く続けられない」といった知能にかかわる質問でも、腸の若いグループが圧勝。

「腸が元気なうちはボケない」と言えそうです。お通じがよくて腸がすがすがしいと、気分も爽快になり、頭が冴える。ボケも逃げ出す。腸こそが、美、健康、若さ、気力、体力、脳力など、アンチエイジングのすべてのカギを握っているんです。

免疫とは

免疫学は全身にかかわる仕組みで、心臓や肺のように臓器の実体がしっかりと目に見えないせいか、どうも「とつつきにくい」と思われやすいようです。ちょっとクイズをやってみましょう。心臓が止まれば人は死にますが、免疫システムの働きが止まったら、人はどうなるでしょう?

人に一定量の放射線を浴びせると、心臓や肺をそのままにして、体の免疫系だけをつぶすことができます。免疫系の働きが止まったからといって、心臓や肺をつぶされた時のようにすぐ死ぬことはありません。しかしそのまま1〜2 週間経つと、だいたいは外からの細菌やウィルスに冒されて、下痢を伴ったさまざまな感染症で死んでいくことになります。

つまり「免疫」とは、体に悪さを働く外敵を駆除して、健康を保つシステム…外からの感染に対抗するために発達してきた体の仕組み、と考えてよいでしょう。

太古、私たち生物が陸に上がる以前、海の中で生活していたころの、本来の「体を守る」免疫システムは、外からの異物に対してだけではなく、「自己を認識しながら、そこに異常があった時に働くシステム」が基本でした。陸上生活を営むようになることによって、外的な危険が増し、「非自己」への備えの免疫も発達しました。

しかし、説明のつかない疑問も出てきます。たとえばアメーバやミミズには、ヒトの免疫系のようなしゃれたものは備わっていません。しかし、汚ないドブの中でもバイ菌だらけの環境でも生き続けて、人類よりずっと長く、何億年も前からいままで種をつないできています。

ということは、生き物の生存と存続にとって、免疫系なんて実はたいしたことないのでしょうか。

アメーバは屋台、人間はデパート

アメーバと人間の大きな違いは、「体を構成する細胞の種類や数」の違いです。アメーバは単細胞で、臓器と呼べるのは腸の役目をする「食胞」ぐらい。

対して哺乳動物であるヒトの細胞は多様化し、各臓器も多種多様の細胞でできています。アメーバがラーメン屋台なら、人間はデパートと考えるとわかりやすくなります。屋台なら毎日ひとりで決まった材料を仕入れて、自分で作って、売って、片付けるだけ。ラーメンを作る手もとも丸見え。

実にシンプルです。ところがデパートとなると、これは目がくらむほど複雑です。おびただしい商品を仕入れて並べて売って、売れ残りやクレームを処理し、採算を合わせる。そのために売り場の奥はたくさんのセクションに分かれ、大勢のスタッフが働いています。

社長から社員、パート店員まで、役割もさまざま。商品や販売員を管理・統率するための仕組み、盗難や火事、地震に備える仕組みなど、複雑なコントロールシステムも必要です。

人間の体も、細胞群がいくつもの複雑で異なった機能に分化しています。各臓器がうまく連携して働くためには、表からは見えない神経、内分系に加え、免疫システムが大事な役割を果たすことになります。

1970年ごろまで、免疫系とは「自己ではない異物を排除するシステム」で、がん細胞のような体内の細胞を攻撃することはない、という考え方が一般的でした。しかし当時、私どもは動物実験の結果から「日々がん細胞を見つけ出して、やっつけて歩く細胞があるのではないか」という仮説を立て、論文を発表しました。それ以降、世界中で研究が行われるようになり、NK細胞が発見されたのですが「キラー細胞は、どんな武器を使って、がん細胞やウィルスに感染した細胞を殺したり溶かしたりするのか」という最大の謎が残っていました。

「ピストルの弾に似た、相手に穴をあけるような分子を出して殺すのでは」という憶測もなされ、仮に「パーフォリン(たんばく質を含む細胞内部の袋) 分子」と名付けられていました。

キラーが出す弾丸を発見

免疫系が体を守る時にも、勘違いして自分を攻撃するアレルギー反応においても、最終兵器として「組織をこわす」ために働く分子のひとつが、パーフォリン分子なのでは。そんな仮定に基づき「パーフォリン分子の遺伝子をつかみ出す」競争が、国際的に威烈にくり広げられでいました。

特にアメリカでは、まるで最新設備を整えた工場のような研究室に専門家がたくさん集まり、鳴りもの入りでした。

パーフォリン分子の遺伝子については素人で、物資もなく、外国のその道の権威に情報や研究材料の提供をお願いしても、全く相手にしてもらえませんでした。友人たちに相談すると「大リーグに草野球チームが立ち向かうようなもの」とあきれられましたが、ともかくパーフォリン分子の遺伝子探索競争に参入しました。

せっかちな性格がこの時は院生を追い詰めるのに役立ち、結果として無名の小店は世界に先駆けて、キラー細胞の殺傷分子の遺伝子を釣り上げることに成功。新聞記者に、パーフォリン分子の遺伝子のことを「キラーが出すピストル弾」と説明したら、新聞の一面トップに「弾丸たんばくの発見」という見出しが躍ったこともありました。

この弾丸分子は「がん細胞や異物、ウィルスに感染した細胞を傷つけて殺す」という、体にとつていちばん重要な免疫反応のための分子です。その後、相手の膜を傷つける短刀のような分子、毒殺するような毒素分子なども発見され、キラー細胞の働きの複雑な実態が明らかになっています。

風邪薬を飲むと免疫が低下する

私たちの体を外敵から守ってくれている免疫システムと、身近な病気の関係をざっと見わたしてみましょう。

  • 目…まつげで異物の侵入を防ぐ。涙には殺菌作用、洗い流す働きがある。
  • 鼻…鼻水は微生物を殺菌。粘膜についた病原菌をくしやみで排出する。
  • 肌…汗の塩分や皮脂に殺菌作用。皮膚常在菌が保湿膜を作る。
  • 消化管(胃腸)…酸などの消化液で殺菌、さらに腸内細菌が異物を徹底排除。
  • 膣…酸性に保たれ、粘液が外敵をブロックする。常在菌が活躍。
  • 尿道…ブドウ球菌や連鎖球菌などの常在菌が、外敵や異物を排除する。

肌荒れ

皮膚表面の常在菌は免疫力の第一の砦。洗いすぎ、乾燥、塗りすぎなどの要因で悪玉優勢になると、トラブルがおこります。善玉の表皮ブドウ球菌が弱ったり、悪玉の黄色ブドウ球菌やアクネ菌などが優勢になるとニキビや肌荒れ、湿疹に。

花粉症

アレルギーは免疫の過剰反応。花粉などのアレルゲンに対して、抗体を作りすぎて体に影響を及ぼします。「免疫力が強すぎる」のが原因です。

風邪

原因はウィルス。風邪だけで数百種類のウィルスがあり、これが手や鼻、口に付着・侵入しておこります。くしゃみ、咳、鼻水、のどの痛みなどの症状は、すべて免疫細胞が風邪と闘っている証。発熱も免疫活性を高めるため。風邪薬に頼りすぎると免疫力が蓑えます。

下痢

腸の中に、消化吸収を助ける乳酸菌やビフィズス菌が少ないと、腸内の免疫力も低下。下痢や便秘がおこりやすくなります。消化不良、ストレス性の下痢、有毒物をすばやく排泄しようとする働きなどから、下痢が引きおこされます。

カンジダ膣炎

膣の中には乳酸菌がすみ、腔内を酸性に保っています。カンジダ菌はカビの一種で、普段から腫にいる常在菌。疲れやストレスがたまったり、抗生物質を摂ると勢力を増して暴れ始め、粘膜に炎症をおこさせて、かゆみ、白いおりものなどが増えます。洗いすぎも要因に。自浄作用が働いているのに石けんで洗いすぎると、善玉菌を殺してしまいます。
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ヘルペス

ウィルス感染が原因。キスやセックスなどの接触によって、単純ヘルペスウィルスに感染することが始まり。口唇に水疱が出る1型、性器に出る2型があり、唾液や体液から感染。唯一の予防策は発症している(水疱が出ている)人との接触を避けることです。

賢い免疫、馬鹿な免疫

免疫系にはバカな面や悪玉の顔もあります。たとえば花粉症や化粧かぶれ、喘息などのアレルギー疾患。

これは、特定の異物(花粉や化粧品やダニ)に対して、免疫反応が過剰に働きすぎて引きおこされます。それをしずめようとして薬を使うと、本来の免疫力も低下してしまうことがあります。

たとえばステロイドの投薬で喘息が治まっても、次は感染症が発病したりします。バランスの問題もあります。

一般に、花粉症などのアレルギーをもっている人は、寄生虫に対しで強い免疫力を発揮する傾向があります。逆に、結核やがん細胞に対して強い免獲力のある人は、寄生虫には弱い傾向があります。

人間に、得意・不得意や長所・短所があるのと同じですね。つまり免疫力は、「ただ賢い免疫だけきたえればいい」というものではなく、「免疫系のさまざまな働きが、バランスよく活性化している」ことが大事です。

これは腸内環境と同じですね。免疫システムは、暴走することもあります。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスに代表される膠原病のような、治療方法が確立されていない40以上の難病は、「自己免疫疾患」これは、 免疫系が、自分の体のある成分を「非自己」と勘違いして、自分自身の正常な細胞や組織を激しく攻撃することからおきています。これもアレルギーです。アレルギーの発症には遺伝的な体質も関係しますが、食生活や精神的ストレスなどの生活習慣を改善して、免疫力を活性化することもたいせつです。

アレルギーには悪玉菌が効く

潰瘍性大腸炎とクローン病。どちらも腸の粘膜に潰瘍ができる難病で、免疫システムの異常から引きおこされる「自己免疫疾患」とされます。

国内の患者数は潰瘍性大腸炎が約10万5 000人、クローン病は約3万人。根本的な治療法がなかったこのふたつの病気に、「悪玉菌」とされることの多い腸内細菌が福音をもたらしそうだと、注目されています。

東京大学の本田賢也准教授らは、無菌環境で飼育したマウスの大腸には、T細胞(リンパ球の一種で免疫の司令官)の一種「Treg細胞」の数が、通常のマウスの約3割しかないことに気づきました。

Treg細胞は、炎症性腸疾患や関節リウマチなどの免疫システムの過剰反応を抑えるのに、極めて重要な役割を果たす細胞です。そこで、無菌環境でさまざまな腸内細菌を接種してみると、一般には悪玉菌とされるクロストリジウム属の細菌を接種した場合に、通常のマウスのレベルまでT r eg細胞が増えました。また、炎症性腸炎にかかりにくくなることがわかりました。ヒトの場合も、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんは健康な人に比べ、クロストリジウム属の腸内細菌が非常に少ないことがわかっています。クロストリジウム属の細菌には、ボツリヌス菌などの有害なものも含まれるので、よく「悪玉菌」扱いをされます。

しかし、無害なものもあり、ヒトの腸内で多数、ほかの腸内細菌と共生しています。ヒトの腸内のTreg細胞の数を、人為的に増やせるようになったら、異常な免疫応答を抑制できる可能性があります。自己免疫疾患の症状の軽減やアレルギー疾患の治癒に役立ちそうだと、現在、盛んに研究されています。

NK活性が低いとがんになる確率が2倍に

免疫の最前線で働くNK細胞の働きが弱いとがんになりやすいことを、私はヌードマウス(実験用にNK 細胞を取り去ったマウス) で確認しましたが、ヒトの実験でもはっきりした結果が出ています。

埼玉県立がんセンターが、世界で初めて一般人の追跡調査で「免疫力の個人差と発がんリスクとの関係」を実証しています。一般住民3500人の協力を得て、NK細胞の活性度が「高い・中程度・低い」の3グループに分け、1年間追跡しました。すると、NK活性の低いグループの人たちだけが、はかに比べて2倍ほど、がんの発生率が高くなっていました。

同センターでは1986年に、埼玉県内の40〜80歳の男女約3 500人から血液中のNK細胞を採取しました。それをがん細胞と混ぜて、NK細胞が何% のがん紳胞を殺すかを調べ、それぞれののNK活性の強さを求めました。そして3 50 0人を1997年まで追跡調査し、発がんの有無を確かめました。

NK活性の強さ別に3 グループに分けて分析したところ、「高」と「中」のグループは、がんにかかった率が、女性はいずれも2% 、男性は7% と6% 。男性の平均年齢が女性より高かったため、全体に男性の発がん率が高くなっています。「低」のグループは女性4 % 、男性9% と明らかに高く、年齢や喫煙、食習慣などの影響を取り除くと、「低」グループの人は、「高」「中」グループに比べ、男性で約1.7倍、女性は約2倍、「がんにかかりやすい」という結論が出たのです。免疫力とがんの関係がはっきりしました。

ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める

たった20分で免疫力をアップする方法

埼玉県立がんセンターでは、NK活性を高める方法として「緑黄色野菜を多く食べる」ことや「適度な運動」をすすめています。

ある実験では、NK活性を確実に上げる方法として「大笑い」に勝るものはなかったという結果がでています。40〜60代の男女8人に、まずは、採血で通常のNK活性を計測していただいてから、溝才番組をおよそ20分間楽しんでもらいました。たっぷりと笑ったあとに、再び採血。たった20分で、がん細胞を8%多くやっつけるパワーを獲得した人がいたのには驚きました。

慣れない実験のストレスのせいか、数値が下がった人もいましたが、結果は8 人中6人の免疫力がアップ。漫才などを見て笑うだけで免疫力が上がって、体内のがんを殺す力が増すなんて、これほど楽しい健康法はないでしょう。

電車に飛び込んでしまう人の共通点

コレステロールが、あいかわらず「悪者」にされ続けています。確かに心臓の悪い人にとつては、コレステロール値が高いということは、よいことではないかもしれません。

しかし別の見方をすると、これほど体にとつて大切なものはないんです。おかあさんが赤ちやんを育てる母乳は、コレステロールの宝庫です。コレステロールを含む中性脂肪がたっぷりのおっぱいを飲んでいると感染にも強い。離乳期に入ると、0-157 にやられたりすることがあります。

コレステロールを含(む中性脂肪は、0-157のような細菌の毒素を中和して無毒化するので、感染防御にはとても大事なもののひとつなんです。

コレステロールは細胞膜の大事な成分で、各種ホルモンのもとでもあります。強い血管もコレステロールから作られます。日本人は、年をとるとあっさりした食べ物を好む傾向がありますね。しかし、肉や卵を摂らないと、コレステロール値は下がってきます。そういう人は感染に弱い。

昭和4年ごろ、東北などのいなかに行くと、脳出血の患者さんがたくさんいました。農家でも卵や鶏はよそへ売っていた時代で、栄養が充分でなく、コレステロール値が低くて血管の弱い人が多かったのだと思います。

いまはだれでも肉や卵や牛乳を摂れるから、脳出血がグンと減ったとも考えられます。脳にもコレステロールをたっぷり与えておかないと、働きが悪くなります。

上場企業の役員の人などにはよく冗談で、「社員を採用するなら、コレステロール値が少なくとも200 mg/dl以上はないと。コレステロールの高い人は元気いっぱいで気性もアグレッシブだから、職場の雰囲気もよくなるし、営業成績も上がって会社の業績がアップしますよ」と言ったりします。

逆に身の回りの暗い顔をしてウツウツとしている人に、コレステロール値を聞いてみてください。きっと数値が低いはずです。

電車で朝、思いつめて線路に落ちる人のことを徹底的に調べたことがあります。5〜60歳ぐらいの男性がほとんどで、因果関係はよくわかりませんが、はば全員がコレステロール値を下げる薬を飲んでいたということでした。

そもそもコレステロール値についてはあいまいな部分が多く、どんな学者を連れてきても、「これが正常値」と言い切れる人はいないんです。

心臓さえ悪くなければ、300 mg/dlぐらいあったってどうってことない、と考える学者も大勢います。アメリカでは一般に「3 00までは放っておいて大丈夫」とされています。

コレステロール値を200以上と以下に分け、寿命を比べてみたら、高いグループのほうがずっと長生きだったというデータが発表されています。

発がん率も、コレステロール値の高いグループのほうが圧倒的に低い。女性は体質的にコレステロール値が高いんですが、心臓疾患はさほど多くありません。コレステロールをむやみに悪者呼ばわりするのは、そろそろやめたほうがよさそうですね。

なぜ、日光の木こりに花粉症はいないのか

いま日本人の5人に1人は花粉症だと言われます。花粉症は、スギなどの植物の花粉に含まれる特定のたんばく質に対して、免疫反応が強く働きすぎておきるアレルギーです。

ではなぜ、日光の木こりに花粉症がほとんどいないのでしょう。有名な「日光杉並木街道」のスギは、約1万250 0本。山に分け入ればその何十倍もの数が植わっています。実は日光市では、19 70年代からスギ花粉症調査を続けていて、年々花粉症の増加が観察されています。

花粉症はスギだらけの山の中ではなく、国道沿いの日光杉並木の周辺で、より多発しています。その増加曲線は、いろは坂の車両の通行量に比例しています。

  1. 土に落ちた花粉と違い、アスファルトに落ちた花粉は単に巻き上げられやすく、くり返し、鼻孔を直撃する。
  2. いろは坂周辺の住民は、大気汚染や騒音のストレスで、免疫力が落ちやすい。
  3. 木こりは早寝早起きで、仕事場は山の中だから、精神的ストレスが少ない。

日光の木こりに花粉症がいない(少ない) 理由は、このあたりにありそうです。アトピー性皮膚炎や喘息も含め、すべてのアレルギーには「免疫力の低下」が影響しています。木こりに習い、早寝早起き、わずらわしい人間関係は避ける、休日などには車の多い場所から離れて自然に親しむ、などの工夫をしたら、花粉症もほかの病気も軽くなると思います。

アレルギーは腸で治す

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