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現代人の腸が大きく変化した3つのこと

大腸がん過敏性腸症候群、炎症性腸疾患など、日本人の腸の病気は年々増加しています。
この変化には、日本人の食生活の変化が大きく影響しています。その変化についてです。
現代人にガンや生活習慣病が増えているのは、食生活が大きく影響していることは誰もが周知のとおりです。いわゆる食の欧米化が日本人の体に合っていないということでしょう。

もともと日本人は油を多く摂る民族ではなかったのです。明治12年の「日本人民食事調査」によると、全摂取食品の53% が米、27%が麦、14%が雑穀、5.2%が惣菜、残りの0.8% が昆布や木の実でした。

穀類が94% も占めていたのは驚きです。また、たんばく質も米から摂っていたのです。日本食に3つの大きな変化が起きたことで、日本人の腸に変化を与えたと思われます。

ひとつめは、幕末・明治維新に西洋に触発された「肉食の解禁」です。それでも1950年前後までは肉類、乳製品とも摂取量がそれほど多くなかったのですが、1960年以降からは急激な増加をしていきます。これが2 つめの変革、いわゆる食の欧米化です。

具体的にいうと、北米、イギリス、ドイツなど北ヨーロッパ風の動物性脂肪が多い食スタイルです(ちなみに、ここにオリーブオイルをたっぷりと使う南イタリア、スペイン、ギリシャの食スタイルはこれに入りません)。
そして、3つめがファストフードやコンビニ食がごく一般的になってきた1990年代です。

この三大変革によって、食物繊維の摂取量が不足し、動物性脂肪と動物性たんばく質の摂取量が増加したのです。厚生労働省が定める成人の1日あたりの食物繊維摂取量は、現在19~27gですが、実際は、14g程度しか摂れていないという統計もあります。
もともと日本人の食事は、野菜、イモ、大豆、海藻などが中心だったので普通に食べていれば30gなどわけはなかったのです。
また、乳製品や肉類摂取の増加で動物性脂肪や動物性たんばく質の摂取量が増加したのです。昔は、さらにみそ、しょうゆ、漬物などの植物性乳酸菌も毎食のように摂取していました。しかし、これらの常識がくつがえってきているのです。

現代人は、頭を使う仕事が増えてきて、脳がほしがる栄養素が糖分や脂質であることも昔の日本人とは異なる点です。ストレス社会なども大きく影響していると思われます。

脳は肉が大好物、腸は野菜(食物繊維)が大好物 | 腸ストレスの影響と解消方法
https://intestinal-stress.com/archives/211

増加しているのは大腸ガンだけでなく他の腸の病気も

腸の病気で増えているのは、大腸がんだけではありません。
そのひとつに、「過敏性腸症候群」があります。この病気は、内視鏡検査などで異常が見つからないにもかかわらず、下痢、便秘、腹痛などの慢性的な症状に悩まされるというものです。この病気は腸管の知覚過敏が原因とも考えられます。
最近の研究では、ストレスがこの異常を増悪させている因子であることがわかってきました。

その症状は、大別して下痢型、便秘型、混合型の3つがありますが、おもに下痢型がツライ症状としてあげられます。ちょっとした緊張ですぐに下痢を起こしてしまい、下痢や軟便を1日に何度もくり返してしまうというものです。
多くは心因性のもので、ストレスの多い生活を送るサラリーマンなどがかかりやすいといわれています。この病気のために、朝の通勤電車を何度も降りてトイレに駆け込まなければならないというつらいツライ状況にある人もいる現代病のひとつなのです。

炎症性腸疾患もまた、急増している腸の病気です。腸の粘膜にびらんや潰瘍などの炎症が起こり、下痢や下血をくり返します。その代表は「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」です。潰瘍性大腸炎は20〜30代に多く、クローン病のほうは10〜20代の若い人に集中し、患者の数も年々急増しています。

これらの炎症性腸疾患は詳しい病因が不明のため、現在ある薬で症状をコントロールしていくことになります。また、この疾患は一度発症すると症状が悪化する「活動期」と、症状が46比較的治まる「寛解期」をくり返すという特徴があります。治療ではいかに「寛解期」を維持できるかが大事なポイントとなりますので、食生活の改善が大事です。腸の病気として、忘れてはならない便秘と、便秘のために下剤を長期にわたって取用を読けることで起きる「大腸メラノーシス」なども増えている腸の病気の代表です。

腸トラブル
https://intestines-navi.com/

日本人に大腸ガン急増している

生活習慣のチェックはいかがでしたでしょうか?
思ったより悪い結果がでたという人もいるでしょうし、それほどでもなかったという人もいるでしょう。

ある意味で、それは無理のないことかもしれません。今の日本人の生活は、腸にとっては受難の時代ともいえるほど厳しいものなのです。

日本で今、もっとも問題視されている腸の病気大腸がんについてここで紹介します。国立がん研究センターの統計によれば、大腸がんにかかった人の数は2001年に10万人を超えて以来、ずっと10万人前後の高い数値を推移しています。また、驚くべきことには、1975年の統計では約1万8000人現在のおよそ5分の1以下でしたから、最近になってとくに増えていることは明らかです。

急増する大腸がんは40代からが要注意 | 健康マニア
https://www.h-mania.info/2015/01/13/%e6%80%a5%e5%a2%97%e3%81%99%e3%82%8b%e5%a4%a7%e8%85%b8%e3%81%8c%e3%82%93%e3%81%af40%e4%bb%a3%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%8c%e8%a6%81%e6%b3%a8%e6%84%8f/

以前は消化器系のがんといえば胃がんが多かったのですが、現在では胃がんは減少しています。
胃がんについてはその要因としてピロリ菌の存在に注目が集まっていますが、大腸がんの原因はいまだはつきりしていません。
胃が出している小さなサインを見逃さない | 胃がん
https://malignant-tumor.com/stomach/archives/10

自分で出来る!胃がん検査、ガン胃がん検査セット(ピロリ菌検査含む) | ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める
https://malignant-tumor.com/archives/302

また、大腸がんによる死亡率を、ほかのがんと比較すると、女性で1位、男性は3位となっています。このような状況を受けて国立がん研究センターは、将来的には大腸がんによる死亡が男女ともに1位になるだろうと予測しています。

大腸がんは日本人にとって非常に身近ながんとなってきているのです。とくに40代以降で一段と増加する傾向が見られます。
大腸がんは一般に遺伝よりも、環境の影響を強く受けるといわれています。とくに食事による影響が大きく、なかでも動物性脂肪の多い食事が要因といわれています。大腸がんはアフリカや東南アジアではあまり見られません。反対に、多いのはオセアニア、北米、西欧といった先進国です。

最近の日本で増えているのは、欧米先進国のような肉と脂肪の多い食事スタイルになってきたからだとも考えられます。1960年代の日本人は、穀物や野菜の摂取量が多く反対に肉類や乳製品は少なかったので、腸内環境が現在よりもよかったことは間違いないでしょう。

大腸がんが増えている原因は、食と腸内環境にあると考えています。大腸がんはポリープからはじまることが多いといえます。
ポリープとひと口にいっても、いくつか種類がありますが、問題になるのは、がん化するおそれのある腫瘍性ポリープ(腺種性ポリープ)です。この腫瘍性ポリープは、便が滞留しやすい直腸やS状結腸に発生頻度が高く、50〜60代では約30%もの人に見つかるといわれています。がん化しないものもありますが、ある程度の大きさになるとがん化する可能性は高まりますので、予防の観点からいえば、5 mm以上のものは注意したほうがいいでしょう。
厚生労働省の調査でも、5年間のがん発生率は、ポリープを切除した人の0.7% に対し、切除しなかった人では5.2% という差が出ています。今は内視鏡の精度も上がり、1cm以内であれば日帰りの手術で切除することが可能です。

自分でできる!病院に行かずに行う大腸ガン検査キット | ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める
https://malignant-tumor.com/archives/313