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理想的な排泄と自分の便からの腸の状態の把握

腸の健康は、排便の状態でかんたんにチェックすることができます。まず、排便の回数は、1日に4回から1週間に2〜3回のペースであれば正常の範囲内です。

l週間に1回未満となると便秘傾向といえます。便の状態は、やわらかくてもかたくても、ソーセージ状から小さなかたまりになっていれば正常です。泥のように形がまとまっていなかったり、、ほとんど固形物がない水のような液状であれば、当然ながら下痢傾向です。そして、小さく丸くてかたいウサギのフン状態(コロコロの便)や、ソーセージ状であっても、小さい便がくつつきあっているかたいものであれば便秘傾向と考えてください。便がでてもスッキリした爽快感があればこれも便秘です。

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また、便の色は、腸に入っている時間が長くなるほど濃くなり、腸の働きが正常なら、腸内細菌の働きによって黄色あるいは茶色っばい褐色になります。ただし、食物残液の通過時間、食べ物、服用した薬などによって色が変化したり、腸に出血がある場合は赤色や黒色になつたりすることがあります。赤色は、肛門、直腸、結腸からの出血の疑いがあります。黒色は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)の出血が疑われます。

健康な腸がつくる便のにおいは、あまりきつくありません。2~3日たまった便は大腸内の悪玉菌による腐敗が進み腐敗臭が強くなります。

また、量は、便に含まれる水分量で決まります。かたい便は水分が抜けているので量が少なく見えます。1日3食摂っている、腸の健康な成人のもっとも理想的な排便は、半固形のやわらかいソーセージ状の便(70〜80%が水分で構成) が、1日に1〜2本出るという状態です。その実現のためには、排便のリズムも大切な要素です。

腸の大ぜん動は、朝食後1時間のうちに10〜20分の間、1日でもっとも活発に起こります。毎日規則正しく、朝食を摂って朝食後に排便をすませるのが理想です。

便からわかる腸の状態 | 腸をきれいにして便秘解消
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食べてから排泄されるまでにかかる時間

口から肛門まで、食べた物は、どう運ばれていくか確認しましょう。そのルートは口→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸)を通って排泄されます。

口から食べた物は食道を通って胃に運ばれます。胃で、胃液と混ぜ合わされた食べた物は粥状になります。ここでおもにたんばく質が分解されて小腸へと運ばれます。

ここからが、小腸の出番です。十二指腸では、胆汁とすい臓の働きでさらに消化・分解が進み、空腸を通って回腸に着くまでに、徐々に栄養が吸収されていき、さほとんどの栄養素と水分が吸収されたあとの残りカス(残渣)ができあがります。

これが便の素材となります。次からが大腸の仕事です。大腸に送られた残淀に残された水分が結腸から徐々に吸収されていきます。吸収が進むと同時に、古くなってはがれ落ちた腸の粘膜や腸内に住む細菌たちの死骸などが加わり、だんだんとドロドロにかたまって便ができあがっていきます。

結腸の働きの中心は「ぜん動運動」で、平滑筋の収縮活動で食べた物を肛門のほうへと送っていきます。結腸の終点であるS状結腸に送られると、いったん便はここに貯留することになります。次々と便がたまって、ある程度の量までくると「大ぜん動」(朝がいちばん強く1日に2~3回しか起こらない)という腸の活動によって直腸に押し出されます。直腸の腸壁内の神経細胞がこれに反応し、脳に便意を起こさせ、排便へと導きます。
これが、腸の消化・吸収から排泄までの流れです。

ところで、この工程はどのくらい時間がかかるものなのでしょうか。野菜や肉など食材によって消化にかかる時間は異なりますが、およその目安です。

口から胃まではひと口につき30秒~1分。胃から十二指腸までが2~4時間。小腸の通過に4時間。結腸から直腸までは約18時間以上かけて移動します。そして排泄は、通常、大腸が活発に動き出す時間帯(1日に数回起こる大ぜん動のタイミング) に行なわれます。

腸の仕組みとその働き

全長は9mもある

腸は、食べ物をじっくりと体の中に取り込んでいくため、とても長い管の構造になっています。

腸はその長い管(腸管)で、消化、吸収、排泄という3つの大事な働きをして生命活動を担っています。この腸は、人体の最大の免疫器官であることが明らかになり、医学的にも注目が集まっています。

まさに生きていくための多様な働きを担う重要な臓器なのですが、まず、その腸管の働きについて見ていきます。
エキストラバージンオリーブオイルを使って免疫力をアップさせる際にこの腸の働きについての知識がとても重要になりますから、基本として押さえておきましょう。

腸は、大きく小腸と大腸に分けられます。小腸は胃から近い順に十二指腸、空腸、回腸に、続く大腸は盲腸・虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に区分されます。小腸はおなかの中央に折りたたまれて、そのまわりを大腸が、体を正面から見て下から上、左から右、上から下へとぐるりと囲むように配置されています。

小腸の長さは、6~7m。そして大腸は1.5~2mで、その人の身長とほぼ同じ長さといわれています。トータルで7.5 〜9mになり、広げて伸ばすと、テニスコート一面分にもなります。食べた物はこの広大な地帯を旅するのです。

腸管の壁(腸壁)は、内側は粘膜、外側は平滑筋という筋肉などで構成されています。粘膜からは粘液が分泌され、食べた物をスムーズに運ぶために表面が滑りやすくなっています。また、粘膜は運搬と同時に小腸では栄養の吸収を行ないしかんます。平滑筋は、一定の間隔で収縮、弛緩をくり返し、食べた物を出口のほうへと押し出していく運動(ぜん動運動) と、通過する食べ物を、消化液と混ぜ合わせる運動(分節運動)を行なっています。

その運動を司るのは、腸の粘膜と平滑筋の間に走っている発達した神経細胞です。この腸の神経細胞は、生命活動をコントロールする中枢である脳の指令とは関係なく、動いているのです。わたしたちの腸には、150億個といわれている脳の神経細胞に次いで2番目に多い、約1億個の神経細胞があることがわかっています。

また、脳と腸の問の2000本ほどの神経束のつながりは密とはいえず、腸は自分勝手に動くことができるのです。動物を使った実験で、脳とつながる神経をすべて遮断しても腸は独自に動き続けることが確認されています。

このことから、腸は「第二の脳」と呼ばれることもあります。また、腸には、食べ物などと一緒に体内に入り込んできたウィルスなどを体外に排出したり、無害化したりする働きがあります。このような体内の免疫機能の約60% が腸にあることから、腸は人体最大の免疫器官ともいわれるのです。

腸の働きまとめ

口から入った食べ物をかくはんして消化する胃、消化、吸収を担う十二指腸から回腸までの小腸、吸収と排泄を行う、盲腸~直腸までの大腸、そして肛門へとつながっています。小腸と大腸は、食べ物を運搬するために文節運動と蠕動運動を行っています。