食べてから排泄されるまでにかかる時間

2022年11月16日

口から肛門まで、食べた物は、どう運ばれていくか確認しましょう。そのルートは口→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸)を通って排泄されます。

口から食べた物は食道を通って胃に運ばれます。胃で、胃液と混ぜ合わされた食べた物は粥状になります。ここでおもにたんばく質が分解されて小腸へと運ばれます。

ここからが、小腸の出番です。十二指腸では、胆汁とすい臓の働きでさらに消化・分解が進み、空腸を通って回腸に着くまでに、徐々に栄養が吸収されていき、さほとんどの栄養素と水分が吸収されたあとの残りカス(残渣)ができあがります。

これが便の素材となります。次からが大腸の仕事です。大腸に送られた残淀に残された水分が結腸から徐々に吸収されていきます。吸収が進むと同時に、古くなってはがれ落ちた腸の粘膜や腸内に住む細菌たちの死骸などが加わり、だんだんとドロドロにかたまって便ができあがっていきます。

結腸の働きの中心は「ぜん動運動」で、平滑筋の収縮活動で食べた物を肛門のほうへと送っていきます。結腸の終点であるS状結腸に送られると、いったん便はここに貯留することになります。次々と便がたまって、ある程度の量までくると「大ぜん動」(朝がいちばん強く1日に2~3回しか起こらない)という腸の活動によって直腸に押し出されます。直腸の腸壁内の神経細胞がこれに反応し、脳に便意を起こさせ、排便へと導きます。
これが、腸の消化・吸収から排泄までの流れです。

ところで、この工程はどのくらい時間がかかるものなのでしょうか。野菜や肉など食材によって消化にかかる時間は異なりますが、およその目安です。

口から胃まではひと口につき30秒~1分。胃から十二指腸までが2~4時間。小腸の通過に4時間。結腸から直腸までは約18時間以上かけて移動します。そして排泄は、通常、大腸が活発に動き出す時間帯(1日に数回起こる大ぜん動のタイミング) に行なわれます。