便秘かそうでないかは本人の感覚で決まる

ここからは、日本人の多数が悩む現代病「便秘」についてです。最近は便秘外来などもあり、受診者は年々増加しています。

今や便秘に悩む人は500万人起ともいわれています。日本人のおよそ半数になります。とくに10〜30代前半の女性に多く、この年代では約半数近くの人に便秘の自覚があるということです。

便秘には、病気が原因で起こる「症候性便秘」と、腸の働きが低下して起こる「常習性便秘」の2つがあり、ここでは後者についてです。

常習性便秘には特定の原因があるわけではありません。食事や生活習慣の乱れ、運動不足などが要因とされています。その乱れた生活が長く続けば続くほど重症化していきます。普段、あまり便秘をしない人でも便秘モードにはいると、食物繊維をたくさん摂っても、水分をしっかり摂ってもまったく音沙汰がないことがあります。これで常習性便秘になってしまうこともあるのです。

日本人に大腸ガンが急増していると紹介しましたが、この便秘とも大きく関係しています。

便秘と便秘でない状態の境界はどこにあるのでしょうか?じっは、便秘には明確に「何日間排便しなければ便秘である」といった定義はありません。2〜3日に1回でも快調な人はいますし、毎日出ていても便秘という人もいるからです。

医師の共通認識としては、2~3 日に1度の排便があり、不調や不快感がなければ便秘とはいわないということです。

便秘の治療には自覚症状が大きなカギといえます。むやみに薬に頼るのではなく、自分のおなかの感覚を頼りに、不調とつきあっていくのが最良の道なのです。

内臓感覚について紹介します。肝臓のように感覚神経が極めて少ない器官と異なり、腸にはちゃんと感覚を脳に意識させる仕組みがあります。腹痛、膨満感、便意など腸の内臓感覚は、腸の神経と関係があります。

便秘でおそろしいのは、脳への信号がうまく働かなくなり、便意を失ってしまう場合があることです。我慢をくり返したり、下剤に頼ってばかりいると、だんだん便意を失ってしまうのです。下剤を常習していると、どんどん増量していかないと効かなくなってくるのは、脳への信号が働かなくなっている証拠です。

いったんひどくなるとシャワートイレによる肛門刺激や坐薬を用いたりする「便意リハビリ」が必要になってきます。普段からおなかの感覚を大切にして、便意に合わせて排泄し、腸の健康を維持しましょう。

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