腸の仕組みとその働き

2022年11月16日

全長は9mもある

腸は、食べ物をじっくりと体の中に取り込んでいくため、とても長い管の構造になっています。

腸はその長い管(腸管)で、消化、吸収、排泄という3つの大事な働きをして生命活動を担っています。この腸は、人体の最大の免疫器官であることが明らかになり、医学的にも注目が集まっています。

まさに生きていくための多様な働きを担う重要な臓器なのですが、まず、その腸管の働きについて見ていきます。
エキストラバージンオリーブオイルを使って免疫力をアップさせる際にこの腸の働きについての知識がとても重要になりますから、基本として押さえておきましょう。

腸は、大きく小腸と大腸に分けられます。小腸は胃から近い順に十二指腸、空腸、回腸に、続く大腸は盲腸・虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に区分されます。小腸はおなかの中央に折りたたまれて、そのまわりを大腸が、体を正面から見て下から上、左から右、上から下へとぐるりと囲むように配置されています。

小腸の長さは、6~7m。そして大腸は1.5~2mで、その人の身長とほぼ同じ長さといわれています。トータルで7.5 〜9mになり、広げて伸ばすと、テニスコート一面分にもなります。食べた物はこの広大な地帯を旅するのです。

腸管の壁(腸壁)は、内側は粘膜、外側は平滑筋という筋肉などで構成されています。粘膜からは粘液が分泌され、食べた物をスムーズに運ぶために表面が滑りやすくなっています。また、粘膜は運搬と同時に小腸では栄養の吸収を行ないしかんます。平滑筋は、一定の間隔で収縮、弛緩をくり返し、食べた物を出口のほうへと押し出していく運動(ぜん動運動) と、通過する食べ物を、消化液と混ぜ合わせる運動(分節運動)を行なっています。

その運動を司るのは、腸の粘膜と平滑筋の間に走っている発達した神経細胞です。この腸の神経細胞は、生命活動をコントロールする中枢である脳の指令とは関係なく、動いているのです。わたしたちの腸には、150億個といわれている脳の神経細胞に次いで2番目に多い、約1億個の神経細胞があることがわかっています。

また、脳と腸の問の2000本ほどの神経束のつながりは密とはいえず、腸は自分勝手に動くことができるのです。動物を使った実験で、脳とつながる神経をすべて遮断しても腸は独自に動き続けることが確認されています。

このことから、腸は「第二の脳」と呼ばれることもあります。また、腸には、食べ物などと一緒に体内に入り込んできたウィルスなどを体外に排出したり、無害化したりする働きがあります。このような体内の免疫機能の約60% が腸にあることから、腸は人体最大の免疫器官ともいわれるのです。

腸の働きまとめ

口から入った食べ物をかくはんして消化する胃、消化、吸収を担う十二指腸から回腸までの小腸、吸収と排泄を行う、盲腸~直腸までの大腸、そして肛門へとつながっています。小腸と大腸は、食べ物を運搬するために文節運動と蠕動運動を行っています。