現代人の悩みの種「 停滞腸 」

2022年11月16日

健康な人の腸は脈打つように動いています。しかし、働きが低下した「停滞腸」の動きは鈍く、長時間ほとんど動かない腸もあります。
ぜん動連動が弱くなり、便を出す力排便力が衰えた、便秘に近い状態といえるでしょう。定期的な排便があっても、すっきりしない人は停滞腸の可能性があります。
停滞腸の自己診断チェックはこちらです。

では、なぜ停滞腸になるのでしょうか。それには、自律神経と腸の関係が大事なポイントになります。

自律神経は、全身の血管や内臓などの働きを無意識下で調節している神経で、交感神経と副交感神経からなります。交感神経が優位になると、血圧を上げたり、脈拍を速めたりするアクティブモードになります。副交感神経が優位になると、血圧を下げたり、消化機能を促したりするリラックスモードになります。人間は、この2つが括抗することで生命活動を行なっているのです。

ところが、冷えやストレスで緊張したり、睡眠不足や不規則な生活で交感神経が優位の状態が続くと、腸はうまく機能できなくなってしまいます。

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普段、会社に行く途中で電車通勤の際に急に腹痛が起きて下してしまう人もいます。急激に腹痛が起き、我慢もできないほど苦しいのです。これも緊張状態が続いた結果の腸ストレスによる「過敏性腸症候群(IBS)」です。この腹痛は、平日には起きるのに休日には起きないといった特徴もあります。これは、平日は腸が緊張にさらされているためで、休日は、腸が休まっているためリラックスしており、自律神経が安定していることによります。

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停滞腸の原因はそれだけではありません。無理な少食や食事抜きのダイエット、食物繊維不足の偏った食事、水分の不足、運動不足や加齢などによる腹筋や背筋の衰えなども影響してきます。また、女性の場合は月経前に黄体ホルモンが増加することで腸の働きが低下することもあります。

停滞腸に陥ってしまうと、腸内に老廃物がたまりやすくなり、老廃物が再吸収され血管を伝って毒素が全身にまわり、さまざまな症状を引き起こします。血行不良による頭痛、肩こり、疲れ、二キピ、肌荒れ、膨満感、胸焼け、げつぷ、吐き気、さらには代謝が適切に行なわれないことによる口臭、体臭、むくみなどが生じることもあります。

しかも、停滞腸が悪化すると便秘になり、長期にわたると大腸がんのリスクを高めてしまいかねないのです。

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